東京メトロの丸ノ内線で運用されていた02系電車のうち、現存する1編成が廃車になることが12月13日までに分かった。これにより同線の車両は新型の2000系電車に完全に統一される。

丸ノ内線は営団地下鉄時代の1954年から1962年にかけ、現在の本線・池袋~荻窪24.2kmと方南町支線・中野坂上~方南町3.2kmが開業した。1980年代には老朽化した車両を更新するための新型車両として02系の導入を計画。1988年にデビューし、1996年までに本線用の6両53編成と方南町支線用の3両6編成、合計336両が製造された。
02系は1983年から製造された銀座線用の01系電車をベースに開発。アルミ車体を採用したほか、乗り降りをスムーズにするためドアの幅を従来車より広げるなどの改善が図られた。また、丸ノ内線の車両としては初めて暖房装置を搭載。冷房装置は1990年度製造分から搭載し、初期に導入された非冷房車ものちに冷房装置が搭載されている。
デビューから30年を迎えた2018年には老朽化した02系の更新用として新型車両の導入が発表され、2019年に2000系電車がデビュー。これに伴い02系は順次引退し、今年2024年3月までに運用をほぼ終了した。

現在は02系のなかで最初に完成した6両1編成(02-101編成)のみ残っており、3月以降も営業列車で運用されたことがある。しかし、新しい保安システムの無線式列車制御(CBTC)システムの運用が12月7日から始まり、CBTCの機器を搭載していない02-101編成は事実上、運用できない状態になった。
東京メトロは鉄道プレスネットの取材に対し、02-101編成は「今後廃車予定となっている」と回答。ほかの鉄道事業者への譲渡や保存の可能性については「今後の計画は未定となっている」と答え、詳細は明らかにしなかった。
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