沖縄県与那原町の「与那原町立軽便与那原駅舎」で11月30日と12月1日、沖縄県営鉄道の開業110周年を記念したイベントが開催される。
軽便与那原駅舎は沖縄県営鉄道与那原線の終点・与那原駅の駅舎を再現した展示館。11月30日は学芸員による展示解説が行われる。開始時刻は11時、13時30分、16時の3回で、所要時間は20分ほど。各回5組程度(先着順)を予定している。
12月1日は入館料(100円)が無料に。駅前カフェ「駅舎前マルクト」(11~18時)に加え、『JTB時刻表』(JTBパブリッシング)とのコラボ企画として見学会(14時~14時30分)やトークイベント(15時~16時30分)も行われる。このうち見学会は事前予約が必要。
沖縄県営鉄道は沖縄本島に建設された鉄道。110年前の1914年12月1日、与那原線の那覇~与那原が開業した。その後嘉手納や糸満にも線路を延ばしたが、1945年の沖縄戦で破壊され、そのまま消滅している。
与那原駅の駅舎は1931年、コンクリート造りのものに建て替えられた。沖縄戦で破壊されたものの全壊は免れ、戦後は補修されて消防署や町役場、農協の建物として使われていた。農協の移転を機に往時の駅舎を再現した展示館を整備することが計画され、開業100周年を迎えた2014年に軽便与那原駅舎として完成。沖縄県営鉄道の資料などを展示している。
軽便与那原駅舎の裏側には旧駅舎の柱が残されており、2017年には国の登録記念物に登録された。
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