東武日光線「羽田空港に直通列車」沿線自治体が実現に向け動く 期成同盟会を設立



東武日光線の栃木県内の沿線自治体などは10月7日、「東京都心・羽田空港直通電車推進期成同盟会」の設立総会を開催した。栃木県内の栃木・日光・鹿沼の3市と3市の議会、経済団体などが参加。会長には栃木市の大川秀子市長が就任した。3市のエリアから東武線やJR線で羽田空港に乗り入れる直通列車の実現を目指す。

JR線と東武線を直通する特急列車。【画像:ちゃんこちゃんこ/写真AC】

JR東日本は同社が構想しているプロジェクト「羽田空港アクセス線(仮称)」を構成する4区間のうち、田町駅付近~東京貨物ターミナル駅付近を結ぶ東海道本線貨物支線(大汐線)を旅客化する「東山手ルート」と、東京貨物ターミナル駅付近~羽田空港新駅(仮称)を結ぶ「アクセス新線」について、2031年度の開業を目指して工事を進めている。

東山手ルートは田町駅付近で東海道線の線路に接続。羽田空港から東京駅方面へ直通列車を運行することが考えられており、上野東京ラインを介して常磐線や東北本線(JR宇都宮線)、高崎線にも直通できるよう整備される。このうちJR宇都宮線は栗橋駅(埼玉県久喜市)で東武日光線の線路に接続。JR宇都宮線と東武日光線を経由して新宿~東武日光・鬼怒川温泉を結ぶ特急「スペーシア日光」「きぬがわ」が運行されている。現在の線路配線と東山手ルートの計画上、東武日光線から羽田空港に直通列車を走らせることは可能だ。

日光・鹿沼・栃木3市から羽田空港への直通列車として考えられるルート。【OpenRailwayMap/OpenStreetMap、加工:鉄道プレスネット】

また、国土交通省諮問機関の交通政策審議会は2016年、「東京圏における今後の都市鉄道のあり方について」を答申。羽田空港アクセス線について「久喜駅での東武伊勢崎線と東北本線の相互直通運転化等の工夫により、さらに広域からの空港アクセス利便性の向上に資する取組についても検討が行われることを期待」とし、佐野・桐生・伊勢崎の各方面から羽田空港への直通運転を盛り込んでいる。

一方、JR東日本と東武鉄道は東武線方面と羽田空港を直通する列車について、具体的には計画していない。

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