JR東日本の東北本部は8月28日、7月の大雨に伴い運転を見合わせている各線区の被害状況などを発表した。山形県を中心とした3線区の合計55カ所で被害が確認されている。代行輸送は9月1日から3線区すべてで確保するが、再開時期のめどは立っていない。
3線区の被害状況などは次の通り。
奥羽本線・新庄~院内
泉田~羽前豊里や真室川~釜淵など26カ所で土砂流入や盛土の法面(のりめん)崩壊などの被害が発生。復旧工事に今後着手するが、完了時期は未定だ。8月23日から新庄~真室川で代行バスを運行中。9月1日から新庄~院内の全区間で代行バスを運行する。
陸羽東線・鳴子温泉~新庄
瀬見温泉~東長沢や東長沢~長沢など19カ所で土砂流入などの被害が発生している。線路脇の山からの大規模な土砂流入も確認されており、調査を継続中。このため復旧工事に着手できず、復旧の見込みは立っていない。代行バスは8月23日から運行している。
陸羽西線・新庄~余目
古口~高屋や高屋~清川など10カ所で土砂流入などの被害が発生した。陸羽西線は2022年5月から道路トンネルの工事に伴う長期運休を実施中。今回の大雨で運休した代行バスは全区間で運行を再開している。
JR東日本は長期運休計画の発表時に運休期間を本年度2024年度までとしていた。東北本部は今回の発表で「運転再開に向けた影響については精査中」としており、再開時期が遅れる可能性もありそうだ。
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