道南いさりび鉄道は8月26日、運賃を値上げすると発表した。全体の平均改定率は10.8%。同日、国土交通省の北海道運輸局長に旅客運賃上限変更認可を申請した。

普通旅客運賃の上限は初乗り(1~2km)が現行190円のところ20円値上げの210円。五稜郭~上磯8.8kmは30円値上げの340円、五稜郭~木古内37.8kmは100円値上げの1080円になる。定期旅客運賃の上限は1カ月の場合、五稜郭~上磯で通勤が940円値上げの1万650円。通学(高校生)は640円値上げの7290円になる。

道南いさりび鉄道は2016年、北海道新幹線・新青森~新函館北斗の開業に伴いJR北海道から並行在来線(江差線)の経営を引き継いだ第三セクター。地域輸送の普通列車を運行しているのに加え、青函トンネル経由で本州~北海道を結ぶJR貨物の貨物列車が運行されている。
道南いさりび鉄道によると、沿線人口の減少が想定を上回っていることや、コロナ禍による社会情勢の変化、施設・車両の老朽化に伴う整備費用などが経営に大きな影響を与えている。このため運賃の値上げを申請したという。
認可された場合、道南いさりび鉄道は来年2025年4月1日に運賃を値上げする予定。実際に適用する運賃(実施運賃)は上限額と同額にする方針だ。
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