JR東日本「チケットレスQR切符」開始日と当初エリア発表 ICエリア外や無人駅も



JR東日本は7月11日、QRコードを活用したチケットレスサービスについて、10月1日の乗車分から「えきねっとQチケ」として導入すると発表した。同社のネット予約サービス「えきねっと」で紙の切符の代わりになるQRコードを発行。Suica(スイカ)などの交通系ICカードのエリア外や駅員のいない無人駅などでも紙の切符を買うことなく利用できる。まず東北エリアでサービスを開始する。

えきねっとQチケの当初エリアに入る釜石線。【撮影:草町義和】

購入できるのは乗車券と特急券。ただし特急券のみの申し込みはできない。新幹線の特急券は普通車自由席と普通車指定席、グリーン車、グランクラスが購入可能。在来線の特急券は普通車指定席とグリーン車が購入できる。

「在来線チケットレス特急券」「在来線チケットレス特急券(トク割)」 は申し込めるが、「新幹線eチケット(トクだ値)」「特急トクだ値」は利用できない。ポイントサービス「JRE POINT」の付与率は特急料金・グリーン料金などに対して新幹線が2%、在来線特急が5%になる。

申し込みはえきねっとのウェブサイトやスマートフォンアプリで受け付ける。乗車日1カ月前の10時から申し込めるほか、えきねっとの事前受付サービスも利用できる。支払い方法はクレジットカード決済のみ。

購入後、えきねっとのアプリで画面に乗車用QRコードを表示。これをQRコード対応の自動改札機にかざして改札を通過する。自動改札機が設置されていない駅は客自身がアプリ上で利用開始の操作(セルフチェックイン)を行い、駅員や乗務員に提示する。ICカードのエリア外で駅員がいない無人駅などでも利用可能だ。

えきねっとQRチケによる切符の購入の流れ(スマホアプリの画面)。【画像:JR東日本】
乗車用QRコードをQRコード対応の自動改札機にかざすか、セルフチェックインを行ったうえで駅員や乗務員に提示すると利用できる。
えきねっとQチケはICカードのエリア外の無人駅でも利用できる(写真は釜石線の平倉駅)。【撮影:草町義和】

10月1日のサービス開始当初のエリアはJR東日本の東北エリアで、東北新幹線(郡山以北)や山形新幹線、秋田新幹線、東北本線(郡山以北)、羽越本線(鶴岡以北)、奥羽本線、常磐線(いわき以北)、磐越東線、磐越西線(喜多方以東)、米坂線(今泉以東)など。バス高速輸送システム(BRT)と気仙沼線・前谷地~柳津はエリア外で、JR北海道の北海道新幹線も利用できない。

2024年10月1日時点のえきねっとQチケの利用エリア。【画像:JR東日本】
えきねっとQチケのロゴマーク。【画像:JR東日本】

その後もエリアを拡大し、来年度2025年度下期に東京都区内エリアと東北新幹線の東京~郡山を追加。2026年度下期には上信越エリアと上越・北陸新幹線の大宮~新潟・上越妙高を追加する。JR東日本エリアの全域に拡大するのは2026年度末の予定だ。

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