鹿島臨海鉄道「運賃値上げ」2024年10月1日から 黒字化目指す



国土交通省の関東運輸局長は7月3日、鹿島臨海鉄道(茨城県)が申請していた大洗鹿島線の旅客運賃上限変更を認可した。同社は10月1日に運賃を値上げし、黒字化を目指す。

鹿島臨海鉄道の8000形気動車。【撮影:草町義和】

平均改定率は17.7%で、普通旅客運賃の上限は21.1%。初乗り(1~3km)は現行180円のところ50円値上げして230円になる。定期旅客運賃の上限の改定率は通勤が25.6%、通学が9.2%。通勤定期1カ月の場合、1~3kmは1940円値上げの8970円だ。

国土交通省によると、鹿島臨海鉄道の旅客輸送人員は1992年度の358万人をピークに道路網の整備による自動車通勤の増加や少子化などの影響で減少。2019年度は205万人でピーク時の約57%に減少した。一方で原油価格の高騰に加え車両機能の維持や保安確保のための経費が年々増加しており、鹿島臨海鉄道は現行運賃では設備維持が困難として、今年2024年4月11日に運賃改定を申請したという。

大洗鹿島線が開業した1985年から1993年まで製造された6000形気動車。【撮影:草町義和】

2024~2026年度の3年間合計の収支推定は、現行運賃のままなら収入が29億3406万5000円なのに対し費用は31億5774億6000円で2億2368万1000円の赤字の見込み。一方、運賃を改定した場合の収入は32億4592万1000円で8817万5000円の黒字になる見込みだ。

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