南武線の高架化で川崎市が国に要請 矢向~武蔵小杉、本年度中に都市計画決定へ



川崎市は6月12日までに、2021年度の国の予算編成に対する要請事項をまとめた。国土交通省に対しては、JR東日本の南武線で構想されている連続立体交差事業(連立事業)について、本年度2020年度の都市計画決定と2021年度の事業認可に向け、必要な財政措置を講ずるよう求める。

南武線の川崎~武蔵小杉間。尻手~武蔵小杉間で高架化が検討されており、このうち尻手~矢向間(青)が横浜市域、矢向~武蔵小杉間が川崎市域になる。【作成:鉄道プレスネット編集部/国土地理院の地図を加工】

南武線では、尻手~矢向~武蔵小杉間の5.5kmを高架化して踏切を解消する連立事業の実施が構想され、2014年度から調査が始まった。

川崎市の要請書によると、同市域の矢向~武蔵小杉間の約4.5kmについて、現在は本年度2020年度の都市計画決定に向けた法手続が進行中。2021年度は事業認可を受けて用地買収や詳細設計などが進められる予定だ。総事業費は約1479億円で、2021年度の計画事業費は約33億4000万円(うち国費約16億7000万円)。完成すれば国道409号を含む踏切9カ所が解消される。

9カ所の踏切はすべて、遮断時間が非常に長い「開かずの踏切」や歩道が狭い踏切など、緊急な対策が必要とされる「緊急対策踏切」に指定されている。川崎市は開かずの踏切により、道路渋滞や路線バスの速達性低下、通学児童の安全性低下などの課題が顕在化しているとしている。