静岡鉄道1000形「完全引退」初のオールステンレス車、半世紀の歴史に幕



静岡鉄道1000形電車の第1008編成が6月で引退する。これにより半世紀以上運用されてきた1000形は完全引退。同社は6月30日に「ありがとう1008号ラストランイベント」と題したイベントを開催する。

引退する1000形の第1008編成(2016年の車体広告車)。【撮影:草町義和】

ラストランイベントは新静岡駅(13時30分~14時)と長沼車庫(13時30分~16時30分)で開催。新静岡駅でセレモニーを行い、長沼車庫では第1008編成の展示と記念グッズ販売を行う。当日は長沼6時45分発からセレモニーの開催まで第1008編成を通常運行する。

セレモニーの終了後、新静岡駅から長沼車庫まで第1008編成に乗るラストランツアーも実施する。事前チケット購入制で料金は3000円。6月14日0時からセブンチケットで発売する。

第1008編成は6月4日から引退記念ヘッドマークを取り付けて運行中。車内はフォトギャラリーとし、昔懐かしい1000形の写真を掲出している。

熊本電鉄に譲渡された1000形の第1009編成。【撮影:草町義和】
1000形の更新を目的に導入されたA3000形。【撮影:草町義和】

1000形は1973年から1985年にかけ24両(2両編成12本)が製造された静岡鉄道の電車。当時の地方私鉄では珍しく静岡鉄道としては初のオールステンレス車体の新造車だった。2016年から老朽化した1000形の更新用として新型車両のA3000形電車がデビュー。1000形は順次引退し、昨年2023年7月には第1008編成の2両編成1本だけになっていた。ほかに引退した1000形の一部はえちぜん鉄道と熊本電鉄に譲渡されている。

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