初代・西武鉄道「2色塗り」標準塗装を復刻 2000系を使用、イメージ発表



西武鉄道は4月25日、戦前から戦後にかけ鉄道車両の標準塗装として採用していた黄色と茶色の「2色塗り」をラッピングで復刻するとし、車両のイメージを発表した。

横瀬車両基地で保存されているクモハ355(モハ505)。戦前から戦後にかけ採用された黄色と茶色の2色塗りが施されている。【撮影:未来鉄道データベース】

車両は2000系電車の第2071編成(8両)を使用。4月27日から当面のあいだ、池袋線・豊島線・狭山線・西武秩父線で運行される予定だ。第2071編成の運用中は西武鉄道の公式アプリ「西武線アプリ」でリアルタイムに走行位置を案内。黄色と茶色の2色塗りでデザインしたアイコンで走行区間を表示する。

黄色と茶色の2色塗りは、現在の西武新宿線などを運営していた西武鉄道(初代)が1937年ごろから採用。現在の池袋線などを運営していた武蔵野鉄道(現在の西武鉄道)と合併したあとも西武鉄道の標準塗装として採用され、1961年ごろまで運用されていた。

横瀬車両基地で静態保存されている351系電車クモハ351形のクモハ355(旧番号はモハ505)は、黄色と茶色の塗装が復元されている。西武鉄道によると、この塗装を2000系の第2071編成で復刻するにあたり、クモハ355をモデルにしたという。

黄色と茶色の塗装をラッピングで再現する2000系のイメージ。【画像:西武鉄道】

西武鉄道では現在、武蔵野鉄道デハ5560形電車をモデルにした2000系電車の第2069編成「西武鉄道創立100周年記念トレイン」(茶色)が運用されているほか、西武多摩川線では701系電車デビュー時(赤・ベージュ色「赤電」)と101系デビュー時(黄色・ベージュ色「ツートンカラー」)の塗装を再現した101系が運用されている。

西武鉄道は黄色・茶色塗装の2000系が登場することにより、1920年代から現在まで歴代の標準塗装が5種類そろうとしている。

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