福岡市は2月26日、来年度2024年度当初予算案を市議会に提出した。地下鉄関係では混雑緩和策として62億7400万円を計上。七隈線の車両を増やして運行本数を増やす計画を盛り込んだ。
予算案の概要によると、七隈線では今年2024年3月に予備車1編成が投入される計画。2026年度と2027年度には増備車両として合計4編成を投入する。増備車両の導入で1時間あたりの運行本数はいまより4本増えて21本になり、ピーク時の混雑率もいまより15%低下して115%になるという。
七隈線は2005年、橋本~天神南の12.0kmが開業。2022年3月に天神南~博多1.6kmが延伸開業した。車両は最初の開業時に導入された3000系電車68両(4両編成17本)と、延伸開業にあわせて増備された3000A系電車16両(4両編成4本)が運用されている。
2005年の開業時は都心側の天神南駅の立地が悪かったこともあり利用者は少なかったが、博多駅への延伸開業でアクセス改善されると利用者が大幅に増加。このため混雑の緩和が課題になっている。
このほか、空港線と箱崎線では、老朽化した1000N系電車の更新用として新型車両4000系電車の導入計画を引き続き推進する。第1編成は2024年4~5月ごろ車両基地に搬入し、秋ごろにも運用開始の予定。第2編成と第3編成も2024年度中に運用開始の予定だ。
これに伴い2025年3月に列車の増発を実施。1時間あたりの運行本数をいまより1本増やして21本とし、ピーク時の混雑率もいまより5%改善して125%にすることを目指す。
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