留萌本線の一部廃止「代替交通」乗合タクシーなど拡充、旭川~留萌直結の速達バスも



JR北海道は2月17日、留萌本線の一部廃止に伴い4月1日から実施する「新しい交通体系」の概要を発表した。同線は3月31日限りで石狩沼田~留萌を運行を終了して廃止される予定。代替交通として既存のバスを活用するほか、乗合タクシーや町営バスの拡充、速達バスの実証運行などを行う。

留萌本線の列車。【画像:中村昌寛/写真AC】

旭川~深川~留萌は沿岸バスが運行する既存の路線バス(留萌旭川線)を広域的・幹線的な代替交通として位置付ける。運行本数は上下各5本で旭川発8~17時台と留萌発7~17時台。深川~留萌を1時間20分弱で結ぶ。

バスが運行されていない朝と夜は平日に予約制の乗合タクシーを新設。高規格道路(深川留萌自動車道)経由で深川~留萌を約50分で結ぶ。これにより通学手段の確保と都市での滞在時間の拡大を図る。運行本数は深川発が朝と夜に各1本、留萌発は朝2本・夜1本。朝の留萌発はバスの通学定期券で利用可能。夜の運行はいずれも3年間の実証運行になる。

留萌本線の今回廃止される区間のうち、沼田町内の真布駅と恵比島駅は沿岸バス留萌旭川線の運行ルートから外れる。このため沼田町営バス幌新線に真布経由のルートを加えて4便増便し、朝夕の通学に対応する。また、沼田町と留萌旭川線の碧水停留所を結ぶ予約制乗合タクシーを上下計10本に拡充。留萌旭川線に全便接続して沼田町と留萌方面の移動手段を確保する。

このほか、3年間の実証運行として留萌管内と旭川を深川留萌自動車道経由で結ぶ速達バス「沿岸特急あさひかわ号」を沿岸バスが運行し、旭川への速達性を高める。運行本数は上下各1本で、旭川~留萌の所要時間は1時間25分。運行区間と時刻は羽幌ターミナル7時50分→留萌駅前8時50分→旭川駅前10時15分、旭川駅前16時05分→留萌駅前17時30分→羽幌ターミナル18時30分になる。

留萌本線とその周辺の公共交通。【画像:JR北海道】
留萌本線・石狩沼田~留萌廃止後の交通体系。【画像:JR北海道】

一方、留萌本線は4月1日にダイヤ改正を実施。石狩沼田~留萌の廃止に伴い運行区間を深川~石狩沼田に縮小する。運行本数は現在と同じ上下各7本。朝の深川行きと午後の石狩沼田行きは現在のダイヤと同じになるよう設定し、通学利用に極力影響がないようにするという。この区間も3年後の2026年には廃止される予定だ。

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