小田急箱根グループの持株会社「小田急箱根ホールディングス」は1月24日、グループの組織再編を実施すると発表した。箱根登山鉄道などを存続会社として合併する。
合併は4月1日付け。小田急箱根ホールディングス・箱根登山鉄道・箱根観光船・箱根施設開発の4社が箱根登山鉄道を存続会社として合併し、社名を「株式会社小田急箱根」に変更する。資本金は1億円で株主は小田急電鉄。合併後のおもな事業は鉄道業と鋼索業、索道業、船舶業、不動産業、温泉・遊園地業になる。箱根登山バスは小田急箱根の100%子会社として存続する。
このほか、箱根登山トータルサービスと箱根プレザントの2社も箱根登山トータルサービスを存続会社として合併し、社名を「箱根プレザントサービス株式会社」に変更。現在の箱根登山鉄道と箱根観光船の飲食・物販事業を会社分割(吸収分割)により引き継ぐ。資本金は2000万円で株主は小田急箱根。合併後のおもな事業は飲食・物販業とビル管理業、清掃業、警備業、石油販売業、ホテル業になる。
小田急箱根グループでは2022年4月に箱根登山鉄道と箱根ロープウェイが合併。両社は「事業親和性が高くあらゆるシナジーの創出が期待できる両社を合併し、経営資源を集中」するとしていた。小田急箱根ホールディングスは今回のグループの組織再編により「事業環境の変化に迅速に適応する経営基盤を構築し、持続的な成長の実現を目指」すとしている。
小田急箱根ホールディングスは1928年、箱根登山鉄道(旧)の名称で設立。2004年の持株会社制への移行に伴い現在の社名に変更し、同社の子会社として設立された現在の箱根登山鉄道が鉄道事業を引き継いだ。「箱根登山鉄道」の名称は法人名としては96年の歴史に幕を閉じる。
《関連記事》
・賛否両論「ハピラインふくい」まだある珍しい理由 福井の並行在来線を引き継ぐ三セク
・箱根登山鉄道と箱根ロープウェイが合併へ 小田原から桃源台まで「一つの会社」に