JR九州「2024年3月16日ダイヤ改正」観光列車の一部減便など



JR九州は12月15日、来年2024年3月16日に実施するダイヤ改正の概要を発表した。1日あたりの運行本数は九州新幹線(105本)と西九州新幹線(47本)が改正前と同じ。在来線は特急列車が2本減って243本、快速・普通列車は6本増えて2661本になる。

おもなダイヤ改正の内容は次の通り。

九州新幹線

新大阪7時23分発の鹿児島中央行き「みずほ603号」を新たに久留米駅に停車させる。これにより関西・中国地区と久留米地区、熊本・鹿児島地区への利便性の向上を図る。鹿児島中央着の時刻はいまより2分遅くなる。

九州新幹線の列車。【画像:M.T.photos/写真AC】

特急列車

北九州エリアでは、夕方の通勤時間帯以降の特急「ソニック」の鹿児島本線・福間駅への停車本数を3本増やし、北九州地区から福間地区への利便性の向上を図る。小倉発17時以降は博多方面への特急が毎時1本、福間駅に停車する。

福間駅の停車が増える特急「ソニック」。【撮影:鉄道プレスネット】

大分地区から博多方面への最終特急「ソニック60号」を現在の大分21時43分発から13分繰り上げて21時30分に変更する。博多駅の到着時刻は、いまより7分早い23時51分。これにより博多駅で福岡市営地下鉄の筑前前原行き最終列車への乗換時間を改善する。

佐賀エリアでは、利用者が多い午前中に博多方面への特急「リレーかもめ」を1本増発。武雄温泉9時42分発の博多行き特急「リレーかもめ14号」を新設し、現在の佐世保9時05分発の特急「みどり(リレーかもめ)14号」は単独の「みどり16号」にとして運行する。

また、佐賀7時29分発の博多行き特急「かささぎ204号」を廃止。これに伴い、同じ時間帯に運行されている肥前鹿島始発の吉原行き特急「かささぎ104号」は車両数をいまより2両多い8両に変更する。

宮崎エリアでは、朝の通勤通学時間帯に運行している延岡7時10分発の宮崎空港行き特急「ひゅうが7号」を廃止。これに伴い、延岡6時44分発の宮崎行き特急「ひゅうが5号」を延岡7時00分発の宮崎空港行きに変更する。深夜帯も南宮崎発→宮崎23時19分発の延岡行き特急「ひゅうが18号」を廃止。延岡方面への最終列車は宮崎22時53分発の普通列車になる。

快速・普通列車

鹿児島本線(福岡エリア)では、日中時間帯に毎時2本運行している区間快速列車のうち1本の快速区間について、福間~折尾と鳥栖~羽犬塚も快速区間とし、北九州・福岡・筑後の各地区相互間の速達性と利便性の向上を図る。

日中時間帯に博多方面から海老津駅まで運行している一部の普通列車は、運行区間を折尾駅まで延長。これにより始終着の折尾駅で福北ゆたか線経由の列車に接続を図り、福間・宗像地区~北九州地区の乗車機会を確保する。

平日のみ運行している福間7時08分発の南福岡行き臨時快速列車は毎日運行の定期列車に変更。南福岡8時05分発の吉塚行き臨時普通列車も平日のみ運行から毎日運行の定期列車に変更し、運行区間を拡大して福間行きにする。これにより朝の通勤通学時間帯の混雑緩和を図る。

夕方の通勤通学時間帯は、荒尾発17時台の上り区間快速と荒木発18時台の上り快速列車を統合。荒尾17時32分発の門司港行き快速列車を新設し、筑後地区から乗り換えなしで博多方面への速達性を向上させる。また、博多駅19時台の快速列車の運行区間を羽犬塚行きから荒尾行きに延長し、博多方面から筑後地区までの利便性を向上する。

上り鳥栖発の福間行き最終列車(博多0時01分発)は、現在4両編成のところ8両編成に増強して混雑緩和を図る。一方、博多方面から下り荒木行き最終列車は行先を久留米行きに変更して運行区間を短縮。久留米~荒木の最終列車の時刻を30分繰り上げる。

鹿児島本線の快速・普通列車で運用されている813系。【画像:ninochan555/写真AC】

福北ゆたか線(福岡地区)では、朝の通勤通学時間帯に長者原8時04分発の博多行き普通列車(4両編成)を増発。混雑緩和を図るとともに、香椎線(宇美方面)からの接続を設けることで利便性の向上を図る。博多23時49分発の新飯塚行き最終列車は現在2両編成のところ1両増やして3両編成に増強。混雑緩和を図る。

日豊本線では、中津・行橋方面から小倉行きの最終列車は5分繰り上げ、小倉駅で新たに鹿児島本線の門司港行き(23時38分発)に乗り換えることができるようにする。

長崎本線では夜間に普通列車を増発。今年2023年12月20日に運行を開始した江北22時03分発の肥前鹿島行き普通列車を定期列車化する。博多方面からの特急「リレーかもめ61号」(江北21時50分着)と武雄温泉方面からの特急「リレーかもめ64号」(江北22時00分着)との連絡を図り、いずれも同じホームで乗り換えられるようにする。

観光列車(D&S列車)

鹿児島本線・三角線の熊本~三角で運行している「A列車で行こう」は運行本数を現在の3往復から1往復減らして2往復に。乗車時間はいまより15分ほど長い約65分に拡大する。下り「A列車で行こう1・3号」は、熊本県内最古の駅舎がある網田駅での停車時間を拡大し、観光列車としての魅力向上を図る。

三角線の観光列車「A列車で行こう」。【撮影:鉄道プレスネット】

日豊本線・日南線の宮崎~南郷を結ぶ「海幸山幸」も、現在の設定本数が2往復のところ1往復に減便。下り列車の乗車時間を現在の約90分から約105分に拡大し、「おもてなし駅」として設定されている飫肥駅の停車時間を拡大する。

指宿枕崎線・鹿児島中央~指宿を走る「指宿のたまて箱」は、喜入駅の停車を取りやめる。鹿児島中央駅と指宿駅の発着時刻は変わらない。

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