大阪メトロ中央線の20系「引退」2024年3月に 最高11万円の記念企画も



大阪メトロは11月28日、中央線で運行している20系電車が来年2024年3月に引退すると発表した。同線では新型車両の400系電車がデビューし、老朽化した20系は順次引退していた。2月から3月にかけ引退記念の撮影会イベントなどを行う。

大阪メトロ中央線の20系。【画像:たろとれ/写真AC】

「さよなら20系!ラストラン&撮影会」と題したイベントは2月12日と3月20日に行われる予定。20系のラストラン列車に森ノ宮駅から緑木検車場まで乗車し、緑木検車場で撮影会を行う。また、各回一人に限り列車の電源を落とす「泊車操作」を体験できる。

事前申込・有料制で、泊車操作体験付きのプランは18歳以上に限定して各回一人を募集する。参加費は2万円。申し込みは大阪メトロのアプリ「eMETRO」で今年2023年12月25日10時から2024年1月5日23時59分まで受け付ける。

泊車操作体験が付かないプランは各回100人を募集。参加費は大人(中学生以上)1万円、子供(小学生以下)8000円で、申し込みは1月12日10時から1月23日23時59分まで「eMETRO」で受け付ける。

このほか、客が作成したオリジナルデザインのヘッドマーク(ステッカー)を20系に掲出して運行する企画も実施。2023年12月1日から、オリジナルデザインヘッドマークの掲出サービスとして大阪メトロの公式オンラインショップで販売する。販売価格は11万円。

実際に掲出して運行するのは2024年1月下旬から2月12日までになる。また、2月下旬から3月20日までは大阪メトロ社員がデザインしたオリジナルヘッドマークを掲出して運行する。

20系は大阪市営地下鉄時代の1984年、第1編成が中央線で運行を開始。のちに谷町線にも導入され、1989年までに96両(6両編成16本)が製造された。第三軌条(サードレール)集電方式に対応した電車としては、VVVFインバーター方式の制御装置を日本で初めて搭載。従来の制御方式より電力消費量を抑えることができ、大阪市営地下鉄の省エネルギー化に貢献した。

大阪メトロ中央線の新型車両400系(撮影地は乗り入れ先の近鉄けいはんな線)。【ポニー/写真AC】

2004年以降、中央線と相互直通運行を行っている近鉄東大阪線(現在の近鉄けいはんな線)内でのワンマン運転・高速運転への対応を目的にした改造を機に、谷町線の20系は中央線に転用。2023年には中央線に新型車両の400系電車が導入され、20系は順次引退している。現在運用されているのは24両(6両編成4本)。

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