イタリアの赤い高速鉄道車両「ETR1000」日立レールが受注 合計94編成に



日立製作所は11月13日、同社グループの日立レール(イタリア)が高速鉄道車両「ETR1000形」30編成の製造をイタリアの鉄道運営会社「トレニタリア」から11月8日(現地時間)に受注したと発表した。契約額は8億6100万ユーロ(約1400億円)。追加10編成を2億8700万ユーロ(約460億円)で納入するオプションが付く。

赤い塗装が目立つETR1000形。【画像:日立レール】

今回の契約によるETR1000形は、イタリアのナポリとフィレンツェ近郊のピストイアにある日立レール(イタリア)の工場で製造される計画。まず2026年春に最初の編成を納入し、その後は年間8~10編成のペースで納入する。

従来のETR1000形と同様、「フレッチャロッサ1000」の赤いカラーリングを採用する。最高速度350km/hでの運転が可能で、1編成の全長は約200m。定員は約460人になる。調光可能なLED照明やパソコン・スマートフォン用のWi-Fi、コンセントを備え、ビュフェエリアも設ける。

おもにイタリアの高速路線で使用される予定だが、フランス・ドイツ・スペイン・オーストリア・スイス・ベルギー・オランダなど欧州各国の異なる電源や信号システムに対応。国際列車としての運行も可能だ。

トレニタリア向けのETR1000形は合計94編成になる。【画像:日立レール】

ETR1000形はイタリアのアンサルドブレダ(2015年、日立レールが買収)とドイツのボンバルディア・トランスポーテーションが共同開発した高速車両。トレニタリアでの車両形式はETR400形になる。

「フレッチャロッサ1000」という愛称が付けられ、2010年から現在までトレニタリア向けに58編成を製造。現在も6編成が製造中だ。今回の新たな契約を加えると合計94編成になる。ほかにスペインにも納入されている。

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