西武鉄道の全線「再エネ電力」で運行へ CO2削減量は一般家庭の約5万7000世帯分



西武鉄道は11月7日、西武線の全線を「100%再生可能エネルギー由来の電力」で運行すると発表した。電力の発電時に排出される二酸化炭素(CO2)を実質ゼロにする。

旧型車両より省エネ化を図った40000系。【撮影:草町義和】

西武鉄道は2021年4月から、山口線「レオライナー」の運行で使う電力を西武グループの太陽光発電「西武武山ソーラーパワーステーション」(神奈川県横須賀市)に切り替えた。来年2024年1月1日からは、東京電力エナジーパートナーの再エネ電力メニューを導入。これにより全線のCO2排出量を実質ゼロにする。

西武鉄道は全12路線、176.6kmの鉄道路線を運営。2022年度は5億5906万人を輸送し、約3億5000kWhの電力を使用した。同社によると全線の列車運行や駅、信号機、踏切などで使用する電力を再エネ由来の電力に切り替えることで、一般家庭約5万7000世帯の排出量に相当する約15万7000tのCO2の排出を削減できる見込みという。

西武山口線「レオライナー」で使う電力は2021年から再エネ由来に切り替えられている。【撮影:草町義和】

同社は電力の使用量自体の削減も推進する考え。東急電鉄と小田急電鉄からVVVFインバーター制御方式の中古車両を譲り受けて電力消費量が多い自社の旧型車両を置き換えるほか、省エネルギー化を図った新型40000系電車の増備や回生電力の有効活用、LED照明の導入を進める。

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