相模線の西寒川駅「開業100周年」記念入場券 使える入場券と使えない券のセット



JR東日本の横浜支社は11月11日、相模線・西寒川駅の開業100周年を記念した入場券を発売する。

廃止直前の西寒川駅の改札口(1984年3月)。盗難あるいは盗難防止のためか駅名標などは撤去されていた。【撮影:草町義和】

西寒川駅の記念券のイメージ。【画像:JR東日本】

西寒川駅の入場券を模したレプリカ(記念券)と、茅ケ崎・寒川・海老名・入谷・原当麻・橋本の相模線6駅のB型硬券入場券、キハ35系気動車が運行されていたころの相模線の写真などをデザインした台紙のセット。6駅の入場券は実際に使うことができ、来年2024年3月31日まで1回限り有効だが、西寒川駅の記念券は同駅が廃止されているため使用できない。

発売額は1セット900円で1000セット限定。今年2023年11月11日の8時から18時まで、茅ケ崎駅の臨時窓口(みどりの窓口内)で販売される。11月12日以降はみどりの窓口営業時間内に販売されるが、なくなり次第終了する。

相模線は相鉄の路線として計画され、1921年から1930年にかけ茅ケ崎~橋本に加え、相模川で採取した砂利の輸送などを目的に寒川~川寒川の支線と寒川~四之宮の貨物支線が開業。1931年に川寒川支線が廃止され、1944年には国有化されて国鉄相模線になった。1987年の国鉄分割民営化ではJR東日本が引き継いだ。

西寒川駅は寒川~四之宮の貨物支線に設けられた駅で、100年前の1923年に東河原駅として開業。その後、駅名の改称や旅客営業の開始を経て、1944年の国有化に際し西寒川駅に改称するとともに西寒川~四之宮が廃止されて支線の終点になった。

寒川~西寒川の支線は遊歩道として再整備された。【撮影:草町義和】
西寒川駅の跡地(2021年11月)。【撮影:草町義和】

寒川~西寒川の支線は戦後、旅客営業の廃止や再開、貨物営業の廃止を経て、1980年代初頭には旅客列車が1日4往復しか運行されない「ローカル線」に。利用者も少なかったが路線名称上は相模線の一部だったことから、国鉄再建法(1980年公布)に基づく廃止対象からは除外された。しかし国鉄地方組織(鉄道管理局)の権限で廃止の取り組みが行われ、分割民営化を迎えることなく1984年3月に廃止された。

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