智頭急行「特急車両の更新」に向け料金値上げ 東京~鳥取は2万円超に



智頭線(兵庫県・岡山県・鳥取県)を運営する智頭急行は10月10日、特急料金を改定すると発表した。来年2024年3月16日購入分から値上げする。

特急「スーパーはくと」で運用されている智頭急行HOT7000系。【画像:YKT2000/写真AC】

智頭急行の特急料金は現在、指定席が530円、自由席が430円。改定後はいずれも300円値上げして指定席830円、自由席730円になる。グリーン料金は変更しない。現在の所定運賃・料金の合計は、「スーパーはくと」大阪~鳥取の普通車指定席(通常期)利用で7220円。智頭急行の特急料金のみ値上げされれば7520円に変わる。

一方、智頭急行の特急料金が値上げされる2024年春には、JRの新幹線・在来線特急の乗継割引も廃止される予定。これを加味すると、東京~(東海道新幹線「のぞみ」)~新大阪~(特急「スーパーはくと」)~鳥取(通常期の普通車指定席)は所定運賃・料金の合計が現在1万9360円のところ、1670円値上げの2万1030円になり、2万円を超える見込みだ。

智頭線はJR山陽本線の上郡駅とJR因美線の智頭駅を結ぶ56.1kmの鉄道路線。普通列車のほか智頭線を経由して京都~鳥取・倉吉を結ぶ特急「スーパーはくと」や岡山~鳥取を結ぶ特急「スーパーいなば」が運行されている。「スーパーはくと」は1994~2002年に製造された智頭急行保有のHOT7000系気動車を使用。「スーパーいなば」はJR西日本が保有するキハ187系気動車で運行されている。

智頭急行によると、同社は同業他社と比べても格安の特急料金を維持してきた。しかし3期連続で赤字が続いていることに加えて「特急車両も老朽化が進み、近い将来更新に備えねばならない」ことなどから、特急料金を改定することにしたという。

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