東海道・山陽新幹線「のぞみ」20年ぶり「全車指定席」に 利用者が多い時期限定



JR東海とJR西日本の2社は9月13日、東海道・山陽新幹線「のぞみ」を利用者が多い時期に限り全車指定席の列車として運行すると発表した。「のぞみ」が全車指定席で運行されるのはイベント列車などを除き20年ぶり。自由席を設定しないことで駅構内での客の滞留を抑え、列車の遅れの防止を目指す。

東海道・山陽新幹線の「のぞみ」などで運用されているN700S。【画像:toshi-chan/写真AC】

「のぞみ」を全車指定席で運行するのは、ゴールデンウィーク・お盆・年末年始の「三大ピーク期」。本年度2023年度は年末年始期間の2023年12月28日~2024年1月4日、「のぞみ」の全列車・全区間を全席指定とし、通常は自由席として設定されている1~3号車も指定席にする。これにより「のぞみ」指定席は1列車につき約2割増える。

全車指定席の期間中、新幹線定期券「FREX」「FREXパル」など自由席のみ利用できる切符は「のぞみ」では着席できない。自由席特急券などを持っている客は、普通車のデッキなどを立席で利用する場合に限り「のぞみ」に乗車できる。「ひかり」「こだま」「みずほ」「さくら」は「のぞみ」の全車指定席期間中も通常通り自由席を設定する。

来年度2024年度以降の三大ピーク期も2023年度の年末年始期間と同様の取り扱いになる予定。具体的な実施日や内容などは年度ごとの曜日配列や利用動向、実施結果などを踏まえ、その都度決定する。

「のぞみ」以外の列車は三大ピーク期も通常通り自由席が設定される。【画像:ポニー/写真AC】

2社によると、東海道・山陽新幹線の三大ピーク期は日や時間帯によっては指定席が早い段階で満席に。始発駅以外の駅から乗車の場合は着席や乗車ができないことがあった。また、指定席を予約しなかった客が自由席への乗車待ちで駅のホームなどで長時間並ぶため、列車の乗り降りに時間がかかって列車の遅れが発生することもあった。このため、三大ピーク期の「のぞみ」を全車指定席にすることにしたという。

東海道新幹線は1964年の開業時に「ひかり」「こだま」が運行を開始。当初はどちらも全車指定席だったが、山陽新幹線・新大阪~岡山が開業した1972年までに自由席も設定されるようになった。1992年から運行を開始した「のぞみ」も当初は全車指定席だったが、東海道新幹線の品川駅が開業した2003年10月のダイヤ改正にあわせて自由席が設定されている。

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