北海道ボールパーク新駅「1面4線」→「2面4線」に 工事費抑えつつ利便性向上



JR北海道は9月13日、北海道ボールパークFビレッジ(北広島市)の隣接地に設ける新駅(千歳線・上野幌~北広島)について、従来の計画を見直した新しい計画を策定したと発表した。工事費の圧縮と工期の短縮を図る。

北海道ボールパークFビレッジの近くに設ける新駅のイメージ。【画像:JR北海道】

従来の計画は1面4線で、内側2線のあいだに島式ホームを設置。外側2線はホームを設けず新駅を通過する列車が走るとしていた。新計画では外側2線にそれぞれホームを設置する相対式に変更。内側2線に通過列車を走らせるとした。

島式1面4線としていた従来計画。【画像:JR北海道】
新計画では相対式2面4線に変更して引上線の設置を取りやめた。【画像:JR北海道】

また、従来計画で新駅に設ける予定だった引上線の設置を取りやめる。列車の折り返し機能は北広島駅に確保するものとし、同駅の2番線から札幌方面に折り返すことができるよう線路の配線を変更する。

列車の折り返しは北広島駅の線路配線を変更することで対応する。【画像:JR北海道】

この見直しにより、新駅の位置を約200m北広島寄りに移動させることが可能に。改札の位置は球場三塁側「3rt BASE GATE」の直線上の位置とし、球場までの距離を従来計画の400mから100m短い300mに短縮して利便性を向上させる。

工事費の概算は従来計画とほぼ同じ85~90億円。工期は従来計画の約7年より3年短い約4年で、ほかに設計・行政手続きに約1年かかるとした。

JR北海道によると、新駅の整備で支障する歩道の付け替えなどを北広島市が認めたことから、新計画では使用できる土地の範囲が拡大し、擁壁などの土工設備の設置が不要に。列車の折り返し機能を北広島駅に確保することで新駅に引上線を整備する必要もなくなった。

また、新計画では工事で新設する線路やホームを可能な限り上下線から離れた位置に設置することで、工事を一時的に中断せずに継続するこが可能に。ほかにも改札内の旅客通路と自由通路を一体化するなどして、従来計画より必要な資材や工数を減らしたという。

駅舎・改札内旅客通路と自由通路は一体化して整備する。【画像:JR北海道】

北海道ボールパークFビレッジは北海道日本ハムファイターズの本拠地球場「エスコンフィールドHOKKAIDO」や商業施設などで構成される総合施設。北側を千歳線が通っていることから新駅の構想が浮上した。

新駅の位置。【画像:JR北海道】

北広島市は同市が工事費を負担する請願駅として新駅の整備をJR北海道に要望。JR北海道は2019年12月に新駅の検討状況を発表し、工事費は概算で80億~90億円、工期は約7年として開業時期の想定を2027年度末としていた。

しかし今年2023年2月、JR北海道は資材費や人件費の上昇で工事費が115~125億円になるとした試算を北広島市に提示。これに対し北広島市が工事費の圧縮や工期短縮を求めたことから、JR北海道が計画の再検討を進めていた。

《関連記事》
北広島市内に千歳線の新駅、2027年度末にも開業へ JR北海道が検討状況を発表
JR北海道が日ハム新球場「野球輸送」で増発 北広島駅のホーム延伸は12月25日から