東海道新幹線の車内販売「終了」グリーン車のみモバイル注文サービスなど導入



JR東海は8月8日、東海道新幹線の車内ワゴン販売を終了すると発表した。代替として駅のホームなどの自動販売機を拡充するほか、モバイル端末を活用した飲食類の注文サービスなどを新たに導入する。

東海道新幹線の列車。【撮影:鉄道プレスネット(AT)】

東海道新幹線では2012年までに「こだま」の車内販売を終了していたが、「のぞみ」「ひかり」も今年2023年10月31日限りでワゴンによる車内販売を終了する。JR東海は終了の理由として「駅周辺店舗の品揃えの充実」「飲食の車内への持ち込みの増加」「静粛な車内環境を求めるご意見」「将来にわたる労働力不足への対応」を挙げている。

11月1日からは「こだま」を除くグリーン車に限り「モバイルオーダーサービス」を始める。各座席に設置したQRコードを客のモバイル端末で読み取り、食事や飲み物を注文するとパーサーが座席まで届ける。乗務員をQRコードの読み取りで呼び出す「サポートコールサービス」もあわせて展開する。普通車ではこれらのサービスは利用できない。

サポートコールサービス(左)とモバイルオーダーサービス(右)のモバイル端末画面イメージ。【画像:JR東海】

このほか、授乳などで利用できる多目的室(11号車)の案内サービスも11月1日から開始。部屋のドアに貼り付けられたQRコードを読み取ることで乗務員を呼び出せば、従来よりタイムリーに多目的室を利用できるようになるという。こちらはグリーン車・普通車のどちらの客も利用できる。

「のぞみ」停車駅のホームなどでは11月1日までに自動販売機を拡充。車内ワゴン販売でニーズの高いドリップコーヒーやアイスクリームなどラインナップを増やすという。「のぞみ」が停車しない駅でも拡大を検討する。

新幹線の車内ワゴン販売のイメージ。【画像:EIKICHI/写真AC】

JR東海は「普通車の車内販売は取りやめとなりますが、ホーム上等の自動販売機を拡充するなど、駅における飲食の提供を強化します。新しい車内サービスにより、さらに快適な車内空間の提供を目指してまいります」としている。

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