北神急行電鉄「市営化」認可 6月から神戸市営地下鉄に、三宮~谷上の運賃ほぼ半額



国土交通大臣は明日3月4日、北神急行電鉄と神戸高速鉄道、神戸市が申請していた北神線の鉄道事業譲渡譲受を認可する。これにより北神線は6月1日から「市営化」が図られ、神戸市営地下鉄の路線と一体化する。

北神急行電鉄の北神線(赤)と神戸市営地下鉄の西神・山手線(緑)。【画像:国土交通省】

北神線は、新神戸駅(神戸市中央区)と谷上駅(北区)を結ぶ7.5kmの路線。ほぼ全線がトンネルで途中に駅はない。新神戸駅では神戸市交通局が運営する神戸市営地下鉄の西神・山手線と接続し、相互直通運転が行われている。

現在は神戸高速鉄道が線路施設を保有(第三種鉄道事業)し、北神急行電鉄が同社から施設を借り入れて列車を運転(第二種鉄道事業)している。神戸市は同市北部の人口減少対策と地域活性化策の一環として、北神線を譲り受けて市営化し、運賃の値下げを計画。関係する3者が鉄道事業の譲渡譲受を申請していた。

譲渡金額は198億円(税別)で、6月1日に北神線の鉄道事業が北神急行電鉄と神戸高速鉄道から神戸市に引き渡される。これにより神戸市は北神線の線路施設を保有して列車も運行する同線の第一種鉄道事業者となり、西神・山手線と北神線が経営上も神戸市営地下鉄として一体化する。

北神急行電鉄の運賃は神戸市営地下鉄より高く設定されているが、市営化により新神戸~谷上間の運賃はいまより90円安い280円になるとみられる。

また、北神線と神戸市営地下鉄の路線をまたいで利用する場合、いまは神戸市営地下鉄と北神急行電鉄がそれぞれ独自に定めた運賃を合算しているため、キロあたりの運賃はさらに高くなっている。経営の一体化で合算しなくなることから、三宮~谷上間も280円になるとみられ、現行運賃(550円)のほぼ半額になる。