熊本電鉄「3年ぶり運賃改定」申請 初乗り20円、最大60円の値上げ



熊本電鉄は7月18日、国土交通省の九州運輸局長に鉄道旅客運賃の上限変更を申請した。認可された場合、熊本電鉄は10月1日に運賃を値上げするとみられる。平均値上率は13.2%程度。同社が運賃を改定するのは3年ぶり。

熊本電鉄の上熊本駅。【撮影:草町義和】

普通旅客運賃の上限は最少20円~最大60円値上げする。初乗り(2kmまで)は現行160円のところ20円値上げの180円。7km超~8kmまでは60円値上げの420円、10km超~11kmまでは50円値上げの490円になる。藤崎宮前~御代志の9.5kmは現行410円から460円に。上熊本~北熊本の3.4kmは現行210円から230円に値上げされる。

定期旅客運賃の上限は5km超~6kmまでの場合、通勤1カ月で現行1万80円のところ1800円値上げの1万1880円に。通学1カ月は1500円値上げの9900円。

普通旅客運賃の現行運賃と申請運賃。【画像:熊本電鉄】

九州運輸局によると、熊本電鉄は2017年2月と2019年1月に発生した脱線事故による施設改修で設備投資の負担が増加。これを受けて2020年10月に運賃を値上げした。しかし、コロナ禍の影響で利用者の大きな回復はみられなかった一方、変電所の移設や橋梁・トンネルの老朽化による点検・補修で設備投資がさらに増加。電気代の高騰も重なり、同社は再び運賃を改定することにしたという。

熊本電鉄の電車。【撮影:草町義和】

熊本電鉄によると、2020年度の鉄道事業は2億100万円の営業赤字に。2022年度の営業赤字は1億2400万円に縮小したものの、厳しい運営が続いている。今回申請した運賃改定が実施された場合、2026年度の営業赤字は1億円未満に縮小されるという。

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