JR北海道は6月14日、室蘭本線・登別駅の駅舎整備などに夏頃から着手すると発表した。新しい駅舎を建設するとともにバリアフリー化を図る。
新駅舎は現在の駅舎と、3月にオープンした登別市観光交流センター「ヌプル」のあいだに建設し、各施設と連携。「歴史に佇み、現在を刻み、未来へと流れる駅」「道内有数の温泉地の玄関口として温泉街の風情を感じる駅」をコンセプトに整備する。
現在の駅舎は内外装をリフレッシュして残し、列車を利用する客の待合スペースとして活用する。また、現駅舎と新駅舎の屋根の南面には太陽光パネルを設置。駅で使用する電力の一部を補う。ホームをまたぐ跨線橋はエレベーター付きのものを新設してバリアフリー化を図り、現在の跨線橋は撤去する。
事業費は約19億円で、このうち跨線橋の新設費用(約10億円)は国と登別市がバリアフリー化の費用として全額負担する。新駅舎と新跨線橋の使用開始は2025年度を予定。2026年度には現駅舎のリフレッシュと現跨線橋の撤去を行う予定だ。
登別駅は1892年に開業し、1897年には現在地に移転。現在の駅舎は1935年に使用開始しており、それから88年がたつ。近くには登別温泉などの有名観光地があり、観光客の利用が多い。
JR北海道によると、駅構内にエレベーターが設置されておらず、身体障害者の客や大きな荷物を持った客に不便をかけている。また、現在の駅舎は待合室が狭く、利用者の多い時期は列車待ちの客で混雑しているという。
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