東武宇都宮線の愛称「いちご王国ライン」に 「首都」は通らず



東武鉄道は5月23日、東武宇都宮線に「『いちご王国』ライン」という愛称を設定すると発表した。東武スカイツリーライン(伊勢崎線)や東武アーバンパークライン(野田線)に続く愛称といえるが、いちご王国ラインは栃木県の誕生150年を記念するもので1年間の期間限定。栃木県と連携して同県が「いちご王国」であることをアピールする。駅の装飾や特別装飾列車「ベリーハッピートレイン」の運行、運賃無料キャンペーンも行う。

東武宇都宮線(いちご王国ライン)の列車。【撮影:草町義和】

愛称を設定する期間は6月10日から来年2024年5月末の予定。「いちご王国」のキャラクターをデザインした駅名看板を東武日光線・東武宇都宮線の栃木~東武宇都宮の各駅に設置するほか、栃木駅と東武宇都宮駅は旗状の装飾を施す。

いちご王国ラインの各駅に設置する駅名看板。【画像:東武鉄道】

車内外をイチゴのデザインで装飾した「ベリーハッピートレイン」は、20400形電車の4両編成1本を使用。愛称設定期間中、東武宇都宮線と東武日光線の南栗橋以北で運行する。初日の今年2023年6月10日は9時から東武宇都宮駅で栃木県知事らによるセレモニーなどを実施する。また、100系特急型電車「スペーシア」1編成の1・6号車に栃木県誕生150年記念の特別エンブレムを掲出し、6月10日から1年間運行する予定だ。

20400形「ベリーハッピートレイン」のイメージ。【画像:東武鉄道】

無料キャンペーンは愛称設定初日の6月10日のみ実施。当日、栃木~東武宇都宮の各駅で配布される「東武宇都宮線フリー乗車券」を提示すると、同区間内を無料で自由に乗り降りできる。配布数は大人用6万枚・子供用4万枚で先着順。栃木駅と東武宇都宮駅では混雑緩和のため6月1日から大人用と子供用を各1000枚、先行配布する。

このほか、20400形の特別装飾車に乗る臨時列車ツアー(6月10日)やスタンプラリーなども行われる予定だ。

東武宇都宮線の南宇都宮駅。【撮影:草町義和】

東武宇都宮線は、栃木県内の新栃木~東武宇都宮24.3kmを結ぶ路線。一部の列車は新栃木駅の一つ手前にある東武日光線の栃木駅や同線の南栗橋駅に乗り入れている。東武鉄道は愛称の設定について、栃木県がイチゴ収穫量日本一の「いちご王国」であることをアピールするためとしている。

栃木県のイチゴ収穫量は2021年度で2万4400t。都道府県別での収穫量は1968年度から連続して日本一を記録している。栃木県内でとくにイチゴの生産が多いのが真岡市。同市は「いちご王国栃木の首都」を宣言しているが、東武宇都宮線は「首都」は通っていない。

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