「JR貨物船」センコーと共同保有で導入へ 災害時の代行輸送を強化



JR貨物は4月12日、総合物流のセンコーグループホールディングスと造船契約を締結したと発表した。貨物船を共同で新造して保有し、災害時の代行輸送の強化を図る。

JR貨物とセンコーが共同保有する貨物船のイメージ。【画像:センコーグループホールディングス・JR貨物】

共同保有するのは総トン数499トンの貨物船1隻。船体は長さ(垂線間長)が70m、幅(型)12.5m、深さ(型)7mで計画満載喫水(型)は4.059mになる。共同保有率はセンコーグループが70%、JR貨物が30%。

載貨重量トン数は1600トンで、貨物容積は2476立方m(12フィートコンテナ80個)。コンテナや一般雑貨、バラ貨物、鋼材類などを搭載する。

完成は来年2024年春の予定。平常時はセンコー海運グループで運航するが、自然災害などが発生して貨物鉄道のネットワークが寸断された場合、JR貨物が実施する災害代行輸送に投入。各利用運送事業者から引き受けた貨物を輸送する。

JR貨物とセンコーグループホールディングスによると、貨物船の代行輸送により貨物列車の不通区間をバイパスする輸送サービスを継続することができるようになるという。

青森~函館で貨客輸送に使われていた青函連絡船の羊蹄丸(写真は東京お台場での保存時)。【撮影:草町義和】

国鉄時代には青函連絡船や宇高連絡船で貨車ごと船に積み込んで本州~北海道・四国の鉄道貨物輸送が行われていた。分割民営化から1年後の1988年、青函トンネル・瀬戸大橋の開通で鉄道連絡船による貨物輸送が終了している。

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