ジャンボフェリーの新造船「あおい」10月就航 神戸~高松、従来船の1.4倍に



ジャンボフェリーは5月28日、神戸~小豆島~高松航路に導入する新造船「あおい」の命名・進水式を内海造船の瀬戸田工場(広島県尾道市)で行い、あわせて「あおい」の船内デザインなどを発表した。10月に就航する予定。

新造船「あおい」のイメージ。【画像:ジャンボフェリー】

船名の「あおい」は「碧い海、蒼い空、青い風」を意味し、「光あふれる瀬戸内海の色彩」をイメージしたという。航海速力は従来船「こんぴら2」と同じ18.5ノットだが、総トン数は1.4倍の約5200トンに。旅客定員も1.3倍の620人になった。積載能力は「こんぴら2」が大型車64台なのに対し、「あおい」は20台増の84台。

浅喫水・全面無柱フルフラット甲板対応型の2サイクル1機1軸推進システムを日本で初めて採用したといい、高速離着岸デバイスなどのパッケージ化で大幅な燃費向上を実現したという。衝突などで浸水した場合に残存浮力で船体を維持するための国際安全基準に適合させた。災害時の支援活動を想定し、ストレッチャーごと搬送できる大型エレベータも設けている。

客室は「瀬戸内海に浮かぶテラスリゾートAoi」をコンセプトにデザインした。船内は客のニーズに合わせて四つのエリアに区分し、QRコードを活用したシステムで管理し、スマートフォンで乗船時の改札や各エリアの入退場ができるようにする。

2階中央に小豆島の棚田をイメージしたロビーを配置。プレミア席のエリアには、ゆりかご式チルト機構を備えたリクライニングシートや遠赤床暖システム付きの畳敷きシート、ロフト個室、最前列の展望席、コーヒーラウンジなどを配置した。自由席エリアにはソファ席と畳敷きシートを配置した。

小豆島の棚田をイメージした2階中央ロビー。【画像:ジャンボフェリー】
プレミア席のリクライニングシート。【画像:ジャンボフェリー】

ほかにも、ペットと一緒に過ごせるペット専用エリアや、自転車を折り畳まずに持ち込めるサイクルピットを配置。大型トラックドライバー専用エリアは一般客室から完全に分離し、シングルベッドの個室や専用シャワールーム、ランドリー、給湯設備などを設けた。

今後は7月頃に就航開始日と予約開始日が発表される予定。8月に乗船予約を開始する。「あおい」は9月に完成し、習熟訓練を経て10月に就航開始の予定だ。

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