JR東日本は3月7日、運転士のみ乗務する「ワンマン運転」を導入する予定の路線を発表した。これまで地方路線を中心にワンマン運転を導入してきたが、今後は首都圏の路線にも導入。ワンマン運転に対応したシミュレーターや乗務員支援システムの整備も進める。
JR東日本は現在、在来線66線区のうち46線区でワンマン運転を実施。3月18日のダイヤ改正時には、青梅線・青梅~奥多摩と常磐線・水戸~いわきで新たにワンマン運転を開始する。同社は青梅線と常磐線へのワンマン運転の導入に際し、実際の路線での訓練のほか、ワンマン運転に対応したシミュレーターを活用した訓練により運転士の技能習熟を図っているとしている。
その後は2025年から2030年頃にかけ、山手線や京浜東北・根岸線、横浜線、南武線、常磐線(各駅停車)などの首都圏主要路線にワンマン運転を拡大する予定だ。
JR東日本によると、2019年度までにすべての乗務員事務所(乗務員区所)に訓練用のシミュレーターを設置済み。各線のシステム変更時には、関係する乗務員区所のシミュレーターも機器類の追加を行うなどの改良を加えている。
ワンマン運転を導入する場合、運転士が席に座ったまま客の乗降を確認する「乗降確認モニタ」や、車両側面のスピーカーから発車メロディを鳴らす「発車メロディ鳴動ボタン」など、ワンマン運転で使用する機器をシミュレーターに追加しているという。
同社はこれ以外にも、乗務員の業務を支援するシステムの整備を推進している。昨年2022年6月から、タブレットで時刻表を閲覧するシステム「DTAC(ディータック)」を導入。日々行っていた時刻表の作成・変更作業を省略できるようになった。
2022年3月のダイヤ改正でワンマン運転が始まった八高・川越線では、タブレットのGPS機能と時計機能を活用したアプリを開発し、列車の乗り換えに関する案内放送を自動化した。
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