東京都の小池百合子知事は2月21日、都営大江戸線の練馬区大泉学園町への延伸構想について、武市敬副知事をトップとする検討組織を設置して検討の深度化を図る考えを示した。
小池知事は大江戸線の延伸について「区部北西部と都心部とのアクセスを向上させる意義がある」と評価しつつ「鉄道事業として成立させるには収支採算性の確保について十分見定める必要がある」とし、「2023年度は調査費を増額して収支採算性などの検証を深度化し、事業化にあたっての課題を明確化する」と述べた。
東京都は従来、大江戸線の延伸に特化した調査費は計上していなかったが、本年度2022年度予算で「地下鉄12号線(大江戸線)の延伸に関する調査」の費用として2200万円を初めて計上。今年2023年1月に概要が公表された来年度2023年度予算案では800万円増の3000万円を計上している。
今後は鉄道政策全般を所管する武市副知事をトップに据えた検討組織を設置する考え。小池知事は「練馬区と一層の連携を図って協議、調整を重ねながら、課題解決の方策や今後の進め方についてスピード感を持って検討を深めていく」と話した。
大江戸線は光が丘駅(東京都練馬区)からJR武蔵野線・東所沢駅(埼玉県所沢市)への延伸構想がある。このうち練馬区内の光が丘~大泉学園町は約4kmで、土支田・大泉町・大泉学園町の3駅(いずれも仮称)を新設する計画。練馬区によると、この3駅のエリアから新宿駅までの所要時間は大江戸線の延伸で11~23分短縮されるという。
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