東急と東急電鉄の2社は6月24日、リニューアル工事が進められている東急電鉄の田園都市線・桜新町駅(東京都世田谷区)について、地上出入口の上屋を木材で新設すると発表した。2社によると、地下駅から地上への出入口上家ですべての構造部材を木材とするのは全国で初めてという。
木材の上屋が採用されるのは、桜新町駅の北口出入口と西口出入口。勾配屋根の外観として木造トラス構造を採用する。使用木材の一部には青森県産材を使用。梁(はり)の上に間接照明を設置し、夜は部材の隙間からあんどんのように町並みを照らし出すという。
2社は上屋の外観について「(桜新町駅の周辺は)八重桜とソメイヨシノの桜並木が連なることから、桜新町の街並みに溶け込み、お客さまをやさしく出迎える」ため勾配屋根を採用。青森県産材の使用は「『桜新町ねぶた祭り』をはじめとする桜新町と青森の交流の歴史」を受け継いだとしている。
このほか、長谷川町子美術館と連携し、工事期間中の仮囲いには『サザエさん』一家のキャラクターを描く。桜新町は漫画『サザエさん』作者の長谷川町子が住んでいた場所で、長谷川町子美術館も桜新町駅から徒歩7分のところにある。
上屋の工事は北口出入口から段階的に着手。完成は2025年度を予定している。
桜新町駅のリニューアル工事は田園都市線の地下区間5駅(池尻大橋~用賀)のリニューアルプロジェクト「Green UNDER GROUND」の第2弾。2023年5月に着工した。地下2・3階のホームは桜並木を思わせるアーチ状の壁面を新設。木材のカウンターやベンチも設置する。空調装置の増強・新設も行う。すべての工事が完了するのは2026年夏の予定だ。
《関連記事》
・東急池上線の長原駅「木になるリニューアル」完成 「フードロス」抑えるイベントも
・東急新幹線で「ひかりチャイム」関東で21年ぶり復刻、向谷氏が編曲