京王ライナー「一部座席指定」で「終日運行」検討へ リクライニング車も導入



京王電鉄は座席指定制の通勤列車「京王ライナー」の終日運行などを検討する。同社が5月2日に発表した本年度2022年度の鉄道事業設備投資計画に盛り込んだ。

「京王ライナー」で運用されている5000系。【撮影:草町義和】

「京王ライナー」は2018年2月に運行開始した座席指定制の通勤列車。ロングシート・クロスシート転換座席を設けた5000系を使用し、朝の上り列車と夕方~夜間の下り列車が運行されている。

投資計画の参考資料では、「京王ライナー」のサービス拡充に向け「一部座席指定列車の導入等による終日運行の検討を進める」としている。現在の「京王ライナー」は全席指定だが、座席指定を一部の車両に限定することや、東急大井町線「Qシート」のように指定席専用の車両を編成中に1両以上連結することなどを検討するとみられる。

東急大井町線の列車に連結されている「Qシート」車。編成中この車両のみ座席指定車として運用されている。【撮影:草町義和】

また、投資計画では5000系の増備(10両編成1本)が盛り込まれた。この増備車のロング・クロス転換座席はリクライニング機能付き。京王電鉄によると、リクライニング機能付きのロング・クロス転換座席は日本初という。

2022年度の鉄道事業設備投資は総額288億円。5000系の増備のほか、京王線・笹塚~仙川間で実施している連続立体交差事業の推進や、笹塚駅などでのホームドア整備などを進める。また、8000系の10両編成1本についてVVVFインバーター制御装置を更新し、省エネ性能の向上を図る。

このほか、2021年に発生した傷害事件を受け、リアルタイム伝送機能を持つ車内防犯カメラとホーム上防犯カメラの設置を推進。ホーム上カメラは2023年度末までに全駅に設置し、車内カメラも2023年度末をめどに全車両への導入を進める。

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