西武線の5駅「無人化」3月から 秩父方面の山間部、利用者数最少の駅も



西武鉄道は3月1日から、埼玉県の日高市・飯能市・横瀬町にある池袋線・西武秩父線の5駅を駅員が常駐しない「無人駅」に変更する。西武線の駅に無人駅が設定されるのは14年ぶりとみられる。

西武線で利用者が最も少ない西武秩父線の正丸駅。【画像:fuku41/写真AC】

無人化されるのは池袋線の武蔵横手駅と東吾野駅、西武秩父線の西吾野駅と正丸駅、芦ヶ久保駅。3月1日の始発から駅員は常駐せず、駅員が定期的に巡回する体制に変わる。西武鉄道の広報部によると、同社としては駅の無人化ではなく「巡回駅化」としている。

これに伴い、5駅は窓口や券売機での切符などの販売を終了する。ICカードは利用できるがチャージすることはできない。残額不足などで精算や入場ができない場合、改札口付近にある発行機から乗降車駅証明書を取り、駅員が常駐する駅に申し出る必要がある。ICカードを使わない場合、乗降車駅証明書を取って降車駅で駅員に提示のうえ、運賃を支払う形になる。

駅員の案内が必要な場合、駅員が常駐する駅や西武鉄道の「お客さまセンター」に希望時間や乗車駅、降車駅を事前に知らせれば駅員による案内を受けることができる。急な利用時には駅のインターホンで知らせることができるが、駅員が到着するまで時間がかかる場合がある。

西武線では現在、特定の時間帯に限り駅員がいない駅はあるものの、それを除けば無人駅はない。池袋線の元加治駅(埼玉県入間市)が一時期無人化されていたが、14年前の2009年から駅員が再び配置されている。

今回無人化される5駅は飯能~西武秩父の山間部にあり利用者が非常に少ない。2021年度の利用者数(1日平均乗降者数)は100~300人台。正丸駅(169人)は西武線の全92駅のなかで最少だ。

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