大阪万博「JRルート」1時間最大12本、新大阪・うめきた直通列車や弁天町駅の改良も



JR西日本は11月18日、2025年の大阪・関西万博の開催に向け、同社が実施する万博会場アクセス輸送の概要などを発表した。桜島線(JRゆめ咲線)を活用した鉄道・バス乗り継ぎルートを設けるほか、大阪メトロ中央線との連絡も改善する。

大阪環状線やJRゆめ咲線で運用されている323系。【撮影:草町義和】

JRゆめ咲線は万博来場者数の想定を踏まえ、1時間あたり最大12本の本数を確保する。また、東海道・山陽新幹線が乗り入れる新大阪駅とJRゆめ咲線の終点、桜島駅を結ぶ直通臨時列車を設定。来年2023年3月に使用開始予定の大阪駅地下ホーム(うめきた新駅)を経由し、関西エリア外や梅田エリアからのアクセスルートを確保する。

桜島駅ではJRゆめ咲線の列車と会場に連絡するシャトルバスの乗り継ぎ地点となり、JR西日本は乗換安全性を向上するためとして万博開催期間限定で同駅の改良を実施する。このほか、JR大阪環状線とJRゆめ咲線が分岐する西九条駅には万博の開催までにホーム柵を整備して安全性の向上を図る。

桜島駅~万博会場のシャトルバスは西日本JRバスと連携を図り、関西のバス事業者の協力を得ながら運行する予定だ。

JR直通列車(青)・シャトルバス(青点線)ルートと大阪メトロ中央線の延伸ルート(緑)。【画像:国土地理院地図、加工:鉄道プレスネット】

一方、大阪メトロ中央線の延伸部となる北港テクノポート線・コスモスクエア~夢洲(仮称)が工事中で、会場に直接アクセスできる鉄道ルートとして万博開催までに整備される。このためJR西日本と大阪メトロは大阪環状線と中央線が連絡する弁天町駅の改良工事を共同で実施する。

改良後の弁天町駅のイメージ。【画像:JR西日本】

大阪環状線の弁天町駅は既存の南北改札のあいだに新しい駅舎を整備し、新しい改札口として新南口と新北口(いずれも仮称)を設置。万博開催期間中は既存の南北改札口を活用することで安全性を向上し、万博終了後には既存の南北改札口を新駅舎の改札口に機能を集約する。

また、大阪環状線の内回りホーム改札を新設し、この改札と中央線東口改札を結ぶ連絡通路も新設する。これにより段差がないルートでの乗換が可能になる。このほか、万博開催までにホーム柵を整備する。

大阪・関西万博協会の来場者輸送対策協議会が今年2022年10月に取りまとめた具体方針によると、1日の来場者数は22万9000人を想定。このうち中央線での来場者が12万6000人で55%を占める。シャトルバスでの来場者数は3万5000人(15%)の想定だ。

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