特急「やくも」新型車両273系の内外装デザイン決定フラットシートも設置

JR西日本は10月20日、岡山～出雲市を結ぶ特急「やくも」に投入する新型車両「273系」について、外装や内装のデザインが決まったと発表した。通常のグリーン車や普通車のほかグループ向けの座席も設ける。

デザインコンセプトは「沿線の風景に響き自然に映える車体、山陰の我が家のようにくつろげる温もりのある車内」。外装は「やくもブロンズ」と名付けた茶色と白の2色でデザインし、先頭部や側面をロゴとシンボルマークで装飾する。

グリーン車は横1列につき3席（1＋2席）を設置。内装は黄色をベースとし、明るくて空間の広がりを感じられるようにするという。また、富と長寿の象徴とされる亀の甲羅をイメージした「積石亀甲」模様をあしらい、山陰の文化・風土を演出する。

普通車は横1列4席（2＋2席）。沿線の山々をイメージした緑色。古来から神事に用いられ、人を守る魔除けの意味もある「麻の葉」模様で装飾する。

従来型のグリーン車・普通車とは別に「グループ向け座席」も設ける。フラットにできるシートと大型テーブル、仕切りを設けて「適度なプライベート空間」を確保し、くつろぎを演出するという。

デザインは長距離列車「WEST EXPRESS（ウエストエクスプレス）銀河」などをデザインした川西康之さん（イチバンセン）と近畿車両デザイン室が監修した。フラット化が可能なシートは「ウエストエクスプレス銀河」1号車のグリーン車でも採用されている。

273系は「やくも」で運用されている国鉄特急型電車「381系」の老朽化を受け計画された新型の特急型電車。車上型の制御付き自然振子方式を国内で初めて採用して乗り心地の向上を図る。今年2022年2月に形式名や仕様などが発表されたが、イメージは外観のシルエット画のみ公表され、車内の詳細は明らかにしていなかった。

JR西日本は273系を44両（4両編成11本）導入し、2024年春以降に営業運転を開始する予定だ。