イタリア・ミラノ地下鉄に「日立の新型車両」落書き対策も 最大534億円の包括契約



日立製作所は11月7日、同社グループの鉄道システム事業会社「日立レール」がイタリア・ミラノ地下鉄1号線向けの新型車両を受注したと発表した。

日立レールが受注したミラノ地下鉄1号線向けの新型車両のイメージ。【画像:日立レール】

日立レールはミラノ地下鉄を運営するミラノ市交通公社と最大3億6800万ユーロ(約534億円)の包括契約を締結。1・2・3号線向けに最大46編成(276両)の車両を納入する。この契約に基づき、まず1号線向けの21編成(126両)を1億6800万ユーロ(約244億円)で受注した。2024年春から順次、営業運転を開始する。

1号線向けの新型車両はアルミ製車体の6両編成で1編成あたりの全長が106.5m。最高速度は90km/hになる。車体外装に落書き対策を施すほか、高いリサイクル性の水準を満たすよう設計したという。車両は日立レールのイタリア製造拠点であるナポリ工場とレッジオカラブリア工場で製造される。

車内は先頭車両から最後尾の車両まで視界が遮られることなく車内を見渡すことができるようデザイン。監視カメラの映像をリアルタイムで指令室に伝送して車内の安全性を向上させるという。

包括契約に含まれる3号線向け新型車両のイメージ。【画像:日立レール】

日立レールは今回の発表で2種類の車両イメージを公表。どちらも車体形状は同じで黒をベースにデザインしているが、一つは今回受注した1号線のラインカラー(赤)で装飾。もう一つは包括契約に含まれる3号線のラインカラー(黄色)で装飾している。

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