東海道新幹線「ドクターイエロー」初の乗車イベント 検測室見学や「ドーム」着席も



JR東海・JR西日本・JR九州の3社は2月16日、新幹線電気軌道総合試験車の923形電車「ドクターイエロー」の体験乗車イベントを東海道新幹線で開催すると発表した。通常は乗ることができず、見ることも難しい「ドクターイエロー」に乗れる。

「ドクターイエロー」こと923形のT4編成。【撮影:草町義和】

開催日は3月22・23日。両日とも東京駅10時00分集合→新大阪駅14時頃解散と新大阪駅14時15分集合→東京18時15分頃解散の2回実施する。923形のうちJR東海が所有するT4編成に乗車。ホームや車内での撮影のほか軌道検測室・電気検測室の見学、架線確認用の観測ドームでの着席など、実際の検測作業の雰囲気を体感できるという。

JR東海ツアーズの旅行商品として販売され、東海道・山陽・九州新幹線のネット予約・チケットレス乗車サービス「EXサービス」会員のみ申し込める。旅行代金は2万3620円。2月24日14時から28日23時59分まで、ウェブサイト「EX 旅のコンテンツポータル」で申込みを受け付ける。募集人数200人(各行程40人)の抽選制で、当落は3月3日以降に通知される。

「ドクターイエロー」は線路・架線・信号などの状態を走りながらチェックする東海道・山陽新幹線の事業用電車。車体が黄色いことから「ドクターイエロー」と呼ばれるようになった。現在の「ドクターイエロー」は700系電車をベースに開発された7両編成の923形。1本目のT4編成が2000年にJR東海の車両として製造され、2005年には2本目となるT5編成がJR西日本の車両として製造された。

測定機器などが設置された923形「ドクターイエロー」の車内。【撮影:草町義和】
3・5号車の天井には観測ドームが設けられている。【撮影:草町義和】

業務用のため客を乗せて走ることはなく、運行日時や運行区間も公表されないため駅などで見ることも難しい。車両基地の公開イベントで停車した状態の「ドクターイエロー」の車内外が公開されたことはある。3社によると「ドクターイエロー」の乗車イベントが行われるのはJR東海の発足後初めてという。

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