北海道新幹線の札幌駅「工程」11番整備・1番廃止・2番縮小、高架橋は来夏から



札幌駅の在来線ホームを通り過ぎて北海道新幹線ホームに向かう列車のイメージ。【作画:鉄道プレスネット編集部】

JR北海道は9月15日、北海道新幹線の札幌延伸に伴う札幌駅構内の改修工事について、来年度2022年度から新幹線高架橋の工事に着手すると発表した。

札幌駅とその前後を含む約800mの区間(西5丁目~東1丁目)の新幹線高架橋工事は、事業主体の鉄道・運輸機構からの委託によりJR北海道が行う。同社は新幹線駅舎ができる西1丁目エリアを皮切りに、2022年夏から冬にかけ段階的に高架橋工事に着手する予定だ。

JR北海道が工事を行う範囲。【画像:JR北海道】

これに伴い札幌駅構内では現在、新幹線の線路を通す空間を構築するため、北側に11番線ホームを整備するとともに1番線を廃止し、1・2番線ホームを縮小して2番線の専用ホームにする工事が始まっている。

今後は10月1日、11番線ホーム・コンコース増設工事の一環として北側連絡通路を廃止する。来年2022年10月頃には11番線ホームの使用を開始して1番線を廃止。南側連絡通路も閉鎖する。その後、2番線ホームを縮小し、現在の1番線がある部分に新幹線の高架橋を構築する計画だ。

札幌駅構内の2021年10月以降の工程。【画像:JR北海道】

駅商業施設「パセオ」は2022年10月から休館する予定。新幹線高架橋やそれに伴う在来線高架橋の耐震補強工事のため、パセオの主要設備の撤去が必要になったため。パセオ店舗内の通路も全面的に閉鎖されるが、1階の東西をつなぐ通路と地下1階の南北をつなぐ通路は仮設通路を整備して動線を確保する。

パセオの休業期間は3~6年程度の予定だが、JR北海道は「部分的な営業を含め、商業施設としてなるべく早期の営業再開を検討してまいります」としている。

北海道新幹線の札幌駅ホームは2012年の工事実施計画認可時点では現在の在来線1・2番線ホームを再整備する形で設置する計画だったが、JR北海道が在来線の運行に影響があるとして、別の場所に新幹線ホームを整備するよう主張。地下案など複数の案が検討され、2018年2月には札幌駅構内を通り抜けて同駅から約200~300m東側の創成川をまたぐ場所にホームを設けることが決まった。

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