相鉄・東急新横浜線「3運賃と1料金を加算+値上げ」相鉄バリアフリー料金の導入で



相鉄は10月21日、国土交通省の関東運輸局に「鉄道駅バリアフリー料金制度」を活用したバリアフリー料金の設定と整備等計画を届け出た。来年2023年3月頃から運賃に加算し、ホームドアの整備などを進める。

開業当初からホームドアが整備済みの羽沢横浜国大駅。【撮影:草町義和】

バリアフリー料金の加算額は定期外がICカード・切符ともに10円。通勤定期は1カ月600円、3カ月1710円、6カ月3240円を加算する。通学定期は加算しない。徴収期間は2023年3月~2031年3月の8年間で、期間中の総徴収額は134億8500万円。相鉄は2031年度以降の継続も検討予定としている。

バリアフリー設備の整備期間は2021~2030年度。総整備費は144億1500万円で、2021~2025年度に85億4600万円、2026~2030年度に58億6900万円を投じる。2031年度以降の継続も検討する予定。

相鉄線では26駅のうち11駅でホームドアの整備が完了しており、整備率は43.2%。2023年度までに海老名駅を除く全駅に設置し、海老名駅も2027年度までに設置することを目指す。

ホームと車両との段差・隙間はホーム側面に隙間を狭めるための転落防止ゴムの設置を進め、来年度2023年度に整備を完了させる予定。エスカレーターは2023年度までに9駅29基に音声案内装置を整備する。既設のエスカレーター・エレベーターの更新を行う予定だ。

バリアフリー料金が導入される2023年3月には相鉄新横浜線の羽沢横浜国大~新横浜と東急新横浜線の新横浜~日吉が開業し、相鉄線と東急線の直通運転が始まる。相鉄・東急の新横浜線では2019年に開業した西谷~羽沢横浜国大を含め建設費回収のための加算運賃が設定され、相鉄線ではさらにバリアフリー料金を加算。また東急線は同時期に運賃が値上げされる。

この結果、相鉄新横浜線・東急新横浜線経由で相鉄線の駅から東急線の駅に移動する場合、通常の運賃に三つの加算運賃と一つのバリアフリー料金が加算される。二俣川~渋谷の普通旅客運賃は加算後で640円(ICカード運賃は637円)に。その内訳は次の通りになる。

●普通旅客運賃(加算前)
・(相鉄)二俣川~新横浜:200円(ICカード運賃は199円)
・(東急)新横浜~渋谷:290円(ICカード運賃は288円)

●加算運賃
・(相鉄)西谷~羽沢横浜国大:30円
・(相鉄)羽沢横浜国大~新横浜:40円
・(東急)新横浜~新綱島:70円

●バリアフリー料金
・(相鉄)二俣川~新横浜:10円

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