大井川鉄道の金谷~家山「12月上旬」再開へ 全線再開めど立たず、井川線も一部再開



台風15号の影響で大きな被害が発生した大井川鉄道(静岡県)は10月4日、今後の復旧の方向性を発表した。まず10月8日に井川線の一部を再開する方針。大井川本線は12月上旬の一部再開を予定している。

大井川鉄道の大井川本線を走る列車。【画像:写真AC】

大井川本線・金谷~千頭36.5kmは20カ所で被災。まず金谷~家山の部分再開を目指し復旧作業を進める。再開時期は12月上旬を予定している。

金谷起点11.3kmの地点(神尾~福用)では線路にほど近い砕石場跡地から大規模な土砂流入が発生。静岡県の島田土木事務所と志太榛原農林事務所が線路内の土砂撤去作業と崩落土砂防護壁の設置を行う。それ以外の被災場所は大井川鉄道が復旧作業を行う。

残る家山~千頭の復旧工事は島田市や川根本町、静岡県などと協議しながら計画を策定するとしているが再開時期は示しておらず、全線再開のめどは立っていない。

12月16日から始まる「きかんしゃトーマス号 冬の特別運転」は、運転区間を新金谷~家山に縮小して実施する。新金谷~千頭で土曜・休日を中心に運行されているSL列車やEL列車は当面のあいだ運休するが、大井川鉄道は金谷~家山の部分復旧後の運転計画について決まり次第案内するとしている。

大井川鉄道のSL列車「かわね路」。【撮影:草町義和】

井川線・千頭~井川の25.5kmは26カ所で被災した。まず千頭~接岨峡温泉の運転を10月8日に再開する予定。接岨峡温泉~井川は復旧工事を随時進めるとしているが、再開時期は示していない。

大井川鉄道は9月23日深夜から24日未明にかけ台風15号の影響で土砂流入などの被害が発生。全線で運転を見合わせており、大井川本線の金谷~千頭で暫定ダイヤによる代行バスを運行している。

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