名古屋市交通局は7月19日、名古屋市営地下鉄で「黄電メモリアルトレイン」を8月から運行すると発表した。市営交通100周年イベントの一環。かつて運行されていた黄色い車体の電車(黄電=きいでん)を復活させる。
「黄電メモリアルトレイン」になるのは東山線の1編成と名城線・名港線の1編成。車体をラッピングなどで黄色くし、かつての東山線100形と名城線・名港線1000形を再現する。運行期間は東山線が8月1日~来年2023年1月22日で、名城線・名港線は今年2022年8月8日~2023年1月29日の予定。ただし名城線・名港線は作業の状況により運行開始が遅れる場合があるという。
2022年8月1日にはイベント「市営交通100年祭 お誕生日会」(イオンモールナゴヤドーム前)が開催されるほか、記念切符「市営交通100周年記念ドニチエコきっぷ」(第1弾、620円)と記念グッズ「市電型メジャー」(800円)が同日から発売される予定。その後も地下鉄トンネル内を見学する「夜間トンネルウォーク」(9月23日)や「市営交通100年祭メインイベント」(11月12日)などのイベントが計画されている。
名古屋市はいまから100年前の1922年8月1日に電気局(現在の交通局)を創設し、市電の運行を開始。1930年には市営バスの運行を開始し、1943年にはトロリーバスの運行も始めた。
戦後は1951年にトロリーバスを廃止。1957年には市営地下鉄東山線が開業した。このとき導入された電車の車体が黄色(ウィンザーイエロー)に塗られ、「黄電」と呼ばれ親しまれた。黄色を選定したのは名古屋生まれの画家・杉本健吉で、地下の暗いところでも明るく見えるよう配慮したという。1974年までに市電が全廃され、現在の交通局は地下鉄とバスを運営している。
黄電の復活に当たっては2022年4~6月に実施したクラウドファンディング(CF)による寄付金を活用した。目標金額は1700万円だったが、実際に集まったのは253万6300円(達成率14.9%)にとどまった。「黄電メモリアルトレイン」の車内では市営交通100年の歴史を解説した広告のほか、1万円以上を寄付した人の名前を掲出する。
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