松浦鉄道13本「減便」西九州新幹線開業のダイヤ改正で コロナや原油高で厳しい経営



松浦鉄道(佐賀県・長崎県)は6月29日、ダイヤ改正を9月23日に実施すると発表した。西九州新幹線の開業に伴うJR九州のダイヤ改正にあわせたもの。現在の運行本数は142本だが、改正後は13本減って129本になる。

松浦鉄道の列車。【撮影:草町義和】

最も減るのは伊万里~有田の列車で現在の52本から8本減の44本に。このほか、佐世保~佐々の列車が3本減の40本、佐世保~伊万里の列車も2本減って27本になる。

区間別の本数は上り(佐世保→有田)の場合、佐世保→佐々が40本(3本減)、佐々→たびら平戸口が20本(1本減)、たびら平戸口→松浦が16本(1本減)、松浦→伊万里が16本(1本減)、伊万里→有田が22本(4本減)になる。

下り(有田→佐世保)は有田→伊万里が22本(4本減)、伊万里→松浦が16本(1本減)、松浦→たびら平戸口が17本(増減なし)、たびら平戸口→江迎鹿町が20本(1本減)、江迎鹿町→佐々が21本(1本減)、佐々→佐世保が40本(2本減)だ。

松浦鉄道は減便について「経営効率化のため」としている。一方で運行本数を減らす時間帯は待ち時間が長くならないよう、列車時刻の繰り上げや繰り下げによる調整を実施。JR九州の列車との接続を確保するという。

松浦鉄道は北松浦半島の有田~伊万里~松浦~佐世保93.8kmを結ぶ第三セクター鉄道。年間の利用者数は2011年度が290万2000人だったのに対し、2018年度は284万1000人と微減で推移していた。コロナ禍の影響を若干受けた2019年度は277万3000人。コロナ禍の2020年度は255万3000人で、2018年度に比べ1割ほど減少している。物価の高騰や原油高も厳しい経営に追い打ちをかけている。

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