京都地下鉄烏丸線20系「第2編成」6月21日から 内装を一部変更、「安全確保」強調



京都市交通局は6月13日、烏丸線の新型車両「20系」の第2編成を6月21日から運行すると発表した。初日は竹田発15時17分の列車から運用する予定。交通局ウェブサイトの特設ページでは6月21~30日の運行予定時刻を公開している(6月13日16時15分時点)。

3月にデビューした20系の第1編成。【画像:ポニー/写真AC】

先に営業運用を開始した第1編成とは内装の一部が異なる。先頭車の多目的スペース「おもいやりエリア」の展示スペースは、第1編成では「西陣織」と「京友禅」で飾り付けたが、第2編成は「京仏具」(竹田寄り先頭車の2132号)と「京焼・清水焼」(国際会館寄り先頭車の2832号)で装飾した。

第2編成2132号の「おもいやりエリア」に飾り付ける「京仏具」のイメージ。【画像:京都市交通局】
第2編成2832号の「おもいやりエリア」に飾り付ける「京焼・清水焼」のイメージ。【画像:京都市交通局】

標記銘板(車号・事業者)は「京象嵌(きょうぞうがん)」の技法を活用。有職文様である「幸菱(さいわいびし)」の基本の柄はそのままだ。第1編成では基本の柄を四隅に配置したが、第2編成では左右方向に動きを持たせた新たなデザインにした。「機敏に走る地下鉄をイメージ」したという。

標記銘板のデザインも変わる。【画像:京都市交通局】

「金属工芸」の技法を活用した「釘隠し」は、第1編成では「京の木」「京の花」をテーマにデザイン。第2編成では「京の催し」をテーマとし、「舞踊(ぶよう)」(春)・「祇園祭」(夏)・「月見」(秋)・「まねき上げ」(冬)をモチーフにデザインした。

第2編成の「釘隠し」のイメージ。【画像:京都市交通局】

第3編成は秋から営業運行を開始する予定。2023~2025年度は各年度2編成ずつ導入される予定だ。これにより従来車両の10系20編成のうち開業時から使用している9編成を置き換える。

交通局は第2編成の営業運行開始に関する発表で「開業以来40年間使用し老朽化した(10系の)9編成について、このまま使用し続けると重大な事故が生じる可能性がある」とし、20系の導入は安全確保が目的であることを強調している。また、「京仏具」の飾り付けは京都府仏具協同組合が協力。素材は無償で提供されたという。

20系は3月に第1編成がデビュー。その際、経営難のなかで新型車両を導入することについて市民から疑問の声が上がっていた。

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