中央線快速グリーン車「スピードアップ投資計画」で1年遅れに 半導体不足が影響



JR東日本は4月27日、中央快速線に導入するグリーン車について、サービス開始が遅れる見込みになったことを明らかにした。同社が同日発表した本年度2022年度の設備投資計画「変革のスピードアップのための投資計画」に明記した。

中央線の快速列車に導入されるグリーン車のイメージ。【撮影:草町義和、加工:鉄道プレスネット】

投資計画によると、グリーン車の新造計画は世界的な半導体不足の影響を受けており、2023年度末を予定していたサービス開始が少なくとも1年程度遅れる見込みという。具体的なサービス開始時期は決まり次第発表するとしている。

中央線の快速列車はおもにE233系の10両編成で運行されている。JR東日本は2015年、中央快速線の東京~大月間と青梅線の立川~青梅間で、2020年度にグリーン車サービスを開始すると発表。E233系の10両編成に2階建てグリーン車を2両増結して12両編成に増強するとした。

これに伴い、グリーン車が導入される区間ではホームの延伸工事などが行われているが、工事に想定以上の時間がかかることが判明したため、JR東日本は2018年4月にサービス開始時期を2023年度末に変更すると発表していた。今回の投資計画の発表で、グリーン車サービスの開始は当初計画より4年ほど遅れる見込みになった。

中央線の快速列車が停車する駅ではホームの延伸工事が行われている(写真は2019年)。【撮影:草町義和】

2022年度設備投資計画の総額は連結ベースで6340億円。2021年度の実績比で約1140億円増える。単体ベースでも2021年度に比べ740億円増の5000億円になる。

安全対策は大規模地震対策や新幹線降雨防災対策、ホームドアの整備(京浜東北線日暮里駅や中央・総武緩行線飯田橋駅、南武線登戸駅など)などを実施。ほかにも、山形新幹線の新型車両「E8系」(2024年春営業開始予定)の新造や、東北新幹線・盛岡~新青森間と上越新幹線・大宮~新潟間のスピードアップ工事、ワンマン運転拡大やバス高速輸送システム(BRT)の自動運転の実施に向けた取組などを進める。

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