北海道新幹線・羊蹄トンネルの上方で陥没 「巨大な岩」除去工事中



鉄道・運輸機構は4月14日、北海道新幹線・羊蹄トンネル比羅夫工区(倶知安町)の上方で陥没が発生したと発表した。この場所ではトンネルのルート上に出現した巨大な岩の除去工事が始まったばかりだった。

羊蹄トンネル上方の陥没した場所。【画像:鉄道・運輸機構】

鉄道・運輸機構によると4月13日の17時30分頃、札幌寄りの坑口から約3.5kmの地表で縦約5m・横約5m・深さ約5m程度の陥没を確認した。この陥没の約20m下に掘削済みの羊蹄トンネルと巨大な岩がある。陥没の確認後は拡大しておらず、トンネルの坑内にも異常は見られないという。

陥没地点の断面図。【画像:鉄道・運輸機構】

羊蹄トンネルは北海道新幹線の長万部~倶知安間に設けられる全長9750mのトンネル。このうち札幌寄りの5569mが比羅夫工区で、札幌寄りから掘削が進められている。坑口から約3.5kmの地点まで掘り進んだところで巨大な岩が出現して掘削が停止。鉄道・運輸機構は1月に岩の除去に向け対策工法を取りまとめ、3月から除去工事に着手したばかりだった。

鉄道・運輸機構は「陥没の発生原因の調査を進めており、併せて復旧方法についても検討してまいります」としており、今回の陥没と岩の除去工事との関係は不明だ。

北海道新幹線のトンネル工事ではこのほか、3月18日に渡島トンネルの台場山工区で土砂流入が発生している。

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