東京都「有楽町線延伸」「品川地下鉄」都市計画・環境アセス来年度早々に着手



東京都は有楽町線の住吉延伸と南北線の品川延伸(都心部・品川地下鉄)の実現に向け、来年度2022年度から準備を本格化させる。

有楽町線の豊洲駅。ホームドアの戸袋部を境に左側が本来のホームで、右側の鉄板に覆われている部分が住吉駅への延伸区間の線路が敷設されるスペースになる。【撮影:草町義和】

小池百合子知事は2月22日の都議会本会議で、有楽町線延伸と品川地下鉄について「国や地元区、東京メトロなど関係者と連携して早期の事業化に向け、2022年度早々にも都市計画や環境影響評価(環境アセス)の手続きに着手する」と答弁した。都は2022年度予算案で「地下高速鉄道建設助成(新線建設)」として10億円を新規計上。事業主体の東京メトロに有楽町線延伸と品川地下鉄の建設費を助成する。

有楽町線の延伸区間は豊洲~住吉間の4.8km(建設キロ)で総建設費は約2690億円。品川地下鉄は総建設費が約1310億円で、品川~白金高輪間の2.5km(建設キロ)を結ぶ。両区間とも2030年代半ばの開業を目指す。

有楽町線の延伸区間と品川地下鉄のルート(赤)。【画像:東京メトロ】

国土交通大臣の交通政策審議会(交政審)は昨年2021年7月、東京メトロを事業主体として有楽町線延伸と品川地下鉄の早期事業化を図るよう答申。これを受けて国と都が東京メトロに財政支援して事業化を図ることが決まった。今年2022年1月には、東京メトロが有楽町線延伸・品川地下鉄の第1種鉄道事業許可を申請した。

交政審の2021年7月の答申では、都心部と臨海地域を結ぶ地下鉄の構想(都心部・臨海地域地下鉄=臨海地下鉄)についても、事業化に向け関係者による検討の深度化を図るべきとした。東京都はこれを受け、同年9月に学識経験者や国土交通省、鉄道・運輸機構などで構成される事業計画検討会を設置している。

東京都技監の上野雄一都市整備局長は2月22日の都議会本会議で、臨海地下鉄について「検討会で概略ルートや駅位置なども含め、事業計画の策定に向けた検討を進めているところ。引き続き関係者と連携して検討を積極的に進めるなど具体化を加速していく」と答弁。事業計画の策定時期のめどなどは明らかにしなかった。

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