釧網本線「SL冬の湿原号」客車リニューアルまず2両 将来は「ストーブ」設置



JR北海道は10月14日、釧網本線のSL列車「SL冬の湿原号」を来年2022年1月から運行すると発表した。蒸気機関車がけん引する客車5両編成はリニューアルが計画されており、まず第1弾として2両のリニューアル車が導入される。

釧網本線を走る「SL冬の湿原号」。【画像:中村昌寛/写真AC】

1月の運行開始時に導入されるリニューアル車は、編成両端の1号車(スハフ14 505)と5号車(スハフ14 507)。「たんちょうカー」という愛称が付けられる。川側にカウンター席、山側に床の高いボックス席を設置。釧路川や湿原など川側の眺望を楽しめる配置にした。

2022年1月からの運行で導入されるリニューアル車「たんちょうカー」のイメージ。【画像:JR北海道】

座席は抗菌・抗ウイルス生地を使用。色は「丹頂の赤」にちなんだえんじ色を使い、壁は「雪原に点在する木々」をイメージした木目調だ。JR北海道は「木材を使用した暖かみがあり高級感を感じる室内」にするとしている。このほか、機器室に隣接する通路の窓を大型化し、展望通路を設ける。けん引機は従来通りC11形蒸気機関車の171号機だ。

展望通路のイメージ。【画像:JR北海道】

「SL冬の湿原号」の運行日は1月22日から3月21日まで土曜・休日を中心とした計33日。昨年度2020年度より12日多い。運行区間と時刻は上りが釧路11時05分発→標茶12時35分着、下りが標茶14時00分発→釧路15時42分着。

乗車には乗車券と指定席券が必要。指定席料金は従来840円だったが、今回の運行から倍の1680円に値上げされる。乗車券を含む運賃・料金は釧路~標茶間で2970円。

2023年1月以降の運行で導入される「ストーブカー」のイメージ。【画像:JR北海道】

その次の2023年1月~3月の運行では、リニューアルの第2弾として中間の2~4号車(スハシ44 1・オハ14 526・オハ14 519)が「ストーブカー」としてリニューアル。ダルマストーブを設置し、内装を「ノスタルジーを感じるどこか懐かしい室内」(JR北海道)に変える。このほか、1・3・5号車はトイレの洋式化や大型荷物置場の設置も行う。「カフェカー」の2号車は現状のイメージを踏襲しつつ内装をリフレッシュするという。

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