城端線と氷見線「LRT化」など検討に着手 富山のJRローカル線



JR西日本と富山県、同県内の高岡・氷見・砺波・南砺の4市は1月29日、4市を通る城端線と氷見線について「LRT化」など新しい交通体系の検討を進めていくと発表した。

城端線の普通列車。【撮影:草町義和】

JR西日本は同社の中期経営計画に「安全で持続可能な鉄道・交通サービスの実現」を盛り込んでいる。その一環として富山県と城端線・氷見線の沿線4市に対し、軽量軌道交通(LRT)など新しい交通体系の検討を進めていくことを提案。富山県と4市は検討に着手することにした。

JR西日本と富山県、沿線4市は将来的なまちづくりとの整合性や利用者の利便性向上、観光振興による活性化などの観点から、実現の方法や可能性も含めて議論を進めていくとしている。

城端線は高岡~城端間29.9km、氷見線は高岡~氷見間16.5kmの鉄道路線。高岡を起点に城端線が南側、氷見線が北側に延びている。いずれもJR西日本が運営しており、単線非電化のローカル線だ。城端線の新高岡駅では北陸新幹線との連絡が図られている。

1日1kmの平均通過人員(旅客輸送密度)は、JR西日本発足時の1987年度で城端線が4479人、氷見線が4416人だったのに対し、2018年度は城端線が2899人、氷見線が2552人に縮小している。

富山県内では、JR西日本が運営していた富山港線(富山市)がLRT化され、第三セクターの富山ライトレールが運営する路線として2006年に再スタート。富山駅の北側に延びる同線は現在、富山駅の高架下をくぐって同駅南側の市街地を走る富山地方鉄道(富山地鉄)の路面電車(富山軌道線)に接続させる工事が進められている。今年2020年3月21日に接続部分が開業し、富山港線と富山軌道線の直通運転が始まる予定だ。

氷見線を走る普通列車。【撮影:草町義和】
LRT化された富山港線。【撮影:草町義和】