東急田園都市線の8500系「176万円」 残り4編成、廃車予定の車両を特別販売



東急電鉄は10月1日、新型車両への更新に伴い順次廃車されている田園都市線8500系電車を「特別販売」すると発表した。

ジャカルタの都市鉄道に譲渡された東急8500系。【撮影:草町義和】

販売されるのは現存する4編成のうち、今後の廃車が予定されている第8622編成と第8630編成。対象車両は8522・8622・8530・8630号の先頭車4両で、価格は1両につき176万円だ。完売しなかったときは、先頭部分のカットモデルを2420万円で販売。「カットモデル」も完売しなかった場合は、運転台の部品を分解して85万円で販売する。いずれも輸送費用などが別途必要だ。

申込みは電子メールで受け付けている。締切は8522・8622号が10月20日、8530・8630号が11月20日。販売に際しては東急電鉄社内で審査し、「車両を適切に保存していただくことが可能と判断できる方」に販売するという。

このほか、第8622・8630編成のものではないが、車体側面コルゲート部のカット販売(縦横約30cm程度、5万5000円)や、カットしたコルゲートに車号板・製造所銘板を付けて座席シート生地で梱包したセット(8万5000円)も販売する。これらは11月下旬以降、2期に分けて販売される予定だ。

8500系の第8622編成と第8630編成。【画像:東急電鉄】

8500系は1975年から1991年にかけ400両が製造された、現在の田園都市線用の通勤電車。乗り入れ先の営団地下鉄(現在の東京メトロ)半蔵門線の保安システムに対応するため、東急電鉄の車両としては初めて自動列車制御装置(ATC)を搭載した。

2018年には新型車両の2020系電車が田園都市線に導入されており、8500系は順次引退している。現在残っているのは、第8622・8630・8631・8637編成の10両編成4本のみ。引退した車両の一部は長野電鉄・伊豆急行・秩父鉄道やインドネシアの首都ジャカルタの都市鉄道に譲渡されている。

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