北条鉄道「キハ40」来春導入へ JR五能線の車両を譲受、改造費調達のCFを開始



五能線のキハ40形(2006年)。【撮影:草町義和】

北条鉄道(兵庫県)は9月1日、キハ40形1両を譲り受け、来年2022年3月頃から定期運行すると発表した。改造費の一部を調達するため、クラウドファンディング(CF)を始めた。

CFの実施期間は今年2021年9月1日~10月29日。まず最低限必要な300万円を第1目標金額として募集する。リターンはフリー切符(5000円コース)や写真集(1万円コース)など。50万円コースでは、現在運用されているフラワ2000形気動車の運転体験やキハ40形の助士席側乗車体験、清掃体験などを含むものもある。募金の申込みはCFサイト「READYFOR」で受け付けている。

北条鉄道はJR加古川線・神戸電鉄粟生線の粟生駅から13.6kmの北条町駅まで延びる北条線を運営する第三セクター。非電化単線で途中駅に列車の交換設備はなかったが、昨年2020年に法華口駅に交換設備が整備され、列車の増便が図られた。

北条鉄道などによると、列車を増発した一方で車両の保有数は増発前と同じフラワ2000形3両のままで運用に余裕がなく、トラブル発生時には所定ダイヤで運行することが困難になった。そのため同社は車両の増強を検討。五能線(秋田県・青森県)で運用されていたキハ40形をJR東日本から譲り受けることにした。改造などで多額の資金が必要になることから、CFに挑戦することにしたという。

キハ40形は1977~1982年に製造された国鉄気動車キハ40系のうち、車体の両端に運転台を設置した車両。新型車両への更新でJR線では数を減らしているが、近年は錦川鉄道(山口県)や小湊鉄道(千葉県)などがJRから譲り受けて運用している。

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